大和撫子の一生

第一部 女性の盛り   第二部 妻と母   第三部 女の一生   第四部 大和撫子たち


第一部  女性の盛り

第一章  平凡なOL 第二十一章  腹違い兄弟 第四十一章  もぬけの殻
第二章  悪の男 第二十二章  美奈子・行方不明 第四十二章  監禁リンチ
第三章  貧すれば鈍する 第二十三章  仙台へ 第四十三章  怪物の本領
第四章  強い男性 第二十四章  東北一の盛り場・国分町 第四十四章  Live and let die
第五章  強し美奈子 第二十五章  徳大寺辰子 第四十五章  二匹の野獣
第六章  探し求めて 第二十六章  久しぶりの実家 第四十六章  志節の違い
第七章  対決 第二十七章  思わぬ失言 第四十七章  美奈子危うし
第八章  思わぬ出会い 第二十八章  哀れ美奈子 第四十八章  変身
第九章  ワル男の龍宮城 第二十九章  久しぶりの母子 第四十九章  連携プレー
第十章  ふたりの男 第三十章  間一髪 第五十章  真の強者は怪物
第十一章  脆い幸福感 第三十一章  決着 第五十一章  長い一日
第十二章  思わぬ出来事 第三十二章  サラ金のボス 第五十二章  穏やかな日
第十三章  二年ぶりのデート 第三十三章  茂樹の男らしさ 第五十三章  哀れ辰子・哀しや美沙子
第十四章  狭い世間 第三十四章  心の鳥肌 第五十四章  女の友情
第十五章  茂樹の生い立ち 第三十五章  サラ金残酷物語 第五十五章  茂樹のプロポーズ
第十六章  電車の中での再会の約束 第三十六章  女の友情 第五十六章  適齢期
第十七章  柴田美奈子 第三十七章  プラスチック人間 第五十七章  微妙な心理
第十八章  保身の裏切り 第三十八章  所詮、女 第五十八章  最近の男女
第十九章  夜逃げ 第三十九章  取りあえず良かった 第五十九章  杉本美奈子
第二十章  杉本耕一 第四十章  地獄のはじまり 第六十章  二人の女


第二部  妻と母

第一章  茂樹の悩み 第十一章  新しい門出 第二十一章  分断作戦
第二章  こころのすれ違い 第十二章  日本(ヤマト)の成長 第二十二章  一難去って
第三章  倦怠期のずれ 第十三章  四苦八苦 第二十三章  佐藤社長急逝
第四章  初めての夫婦喧嘩 第十四章  茂樹のアキレス腱 第二十四章  怪物・東郷英之介
第五章  切れた女の恐ろしさ 第十五章  新しい友情 第二十五章  奇跡の大魔人
第六章  切れない男の恐ろしさ 第十六章  卑劣な男と卑しい男 第二十六章  運命の対面
第七章  思わぬことばかり 第十七章  稚拙な卑しさ 第二十七章  案ずるより生むが易し
第八章  授かりもの 第十八章  姑息な男たち 第二十八章  久しぶりの一家団欒
第九章  ヤマト誕生 第十九章  電話攻勢 第二十九章  女の業
第十章  転身 第二十章  魔がさす 第三十章  妻の本分


第三部  女の一生

第一章  単身赴任の社長 第十一章  嫌な思い出
第二章  滝沢健一 第十二章  正夢
第三章  英之介との友情 第十三章  夢と現実の狭間
第四章  電話での再会 第十四章  真相
第五章  女の幸せ 第十五章  結婚という不幸
第六章  交通事故 第十六章  不幸の始まり
第七章  裏切り 第十七章  決死の電話
第八章  再び仙台 第十八章  おかしな鉢合せ
第九章  伊達恵津子 第十九章  熾烈な運命
第十章  縁は異なもの味なもの 第二十章  離れても一緒


第四部  大和撫子たち

第一章  輝く女性 第十一章  タイムトンネル
第二章  予期せぬ出来事 第十二章  辰子の逆襲
第三章  動き出した運命 第十三章  思わぬ成り行き
第四章  仮出所 第十四章  男と女
第五章  変身 第十五章  大和撫子の一生
第六章  同じ夜 第十六章  急転直下
第七章  万事塞翁が馬 第十七章  ふたりの女命(ミコト)
第八章  維新の幻影  
第九章  追憶 「大和撫子の一生」 −完−
第十章  高と箍のどんでん返し


はじめに

男と女は、水と油で混ざることは有り得ない。
男と女は、同じ人間だが、違う動物である。
男と女の間には、深くて暗い谷がある。
わたくしは、正真正銘の男でありますが、正真正銘の女とは一体如何なるものか、自分自身の為にも一度きっちりと確認しておく必要があると常々考えてきました。
いろいろなジャンルの作品を手がけてきましたが、哲学書よりも厄介なのが、男が女の話を書くことではないかと思ったら「大和撫子(やまとなでしこ)」という名前が浮かんできました。
そうすると、もうこの文章を書いているので、仕方なく風の赴くままに書いていくことに致しました。
「大和撫子の一生」ですから、ある女の一生を書かなければならないわけですが、留意しておかなければならないことは、しっかりとわたくしの感情を制御しておくことであります。
自由気ままに書いていくと、わたくしの理想の女性像を書いてしまう恐れがある。
わたくしが書こうとしている女性像は、女性の方たちから見ても、その通りだと同意して頂けるような女性像です。
お互いに、自分に無いものに魅きつけられるから、男と女は傷つけ合いながらも恋に陥るのでしょう。
男には無くて、女だけしか無いもの、それが女の本来性であります。
女には無くて、男だけしか無いもの、それが男の本来性であります。
本来性を見失ってしまった男と女が織り成す世界は、味けないものです。
お互いの本来性を発揮した男と女が織り成す世界は、砂漠の中のオアシスです。
永遠に解らないかも知れない、お互いの本来性かも知れませんが、一人の女性の一生を通じて表現してみたいと思っています。
もう一度申し上げますが、ここに登場する一人の女性は、わたしの理想の女性像ではありません。
女性の本質を、いろいろな形で露わにしてみたい。
時には、男性からしたら、顔を背けたい一面をも露わにする女性かも知れない。
その中から、女性の本来性を浮き彫りすることが出来、それを男性がどう捉えているかを表現出来たら、と思っています。
お互いの本来性を見失ってしまった現代社会を、あるべき社会に戻す一助になれたら幸いであります。

平成十四年六月二十日 新 田   論




あとがき

平成十四年六月二十日に書き始めました、「大和撫子の一生」は、わたしの著書の中で最もロングランの作品になりました。
今日が平成十五年十二月二十三日ですから、およそ一年半かけて書きあげた小説であります。
高齢化社会と少子化社会を迎えた日本の21世紀を、「果てしない彷徨」と「さようなら!」で表現したのですが、何か物足りないと感じていました。
男と女の問題を語らずして、人間を語ることはできないのは当然であります。
特に、国の黎明期に女王が君臨していた歴史を持つ国は、日本をおいて外にはありません。
シバの女王、クレオパトラ、楊貴妃など歴史上の女性はいたけれど、国家の開祖として女王が君臨したのは、この日本だけでしょう。
その珍しい国・日本の女性を語らずして、日本を語ることはできないと思ったのが、この作品を「大和撫子の一生」とした動機であります。
「ヤマタのオロチ」という作品で、天照大神(アマテラスオオミカミ)と天宇受命(アメノウズメノミコト)を対照的な日本女性として描きましたが、その余韻醒め止まない中で、この作品の執筆に入ったのです。
一番のロングランの作品になったのは、初めと終わりはアレグロとプレストで、途中はアダージョやヴィヴァーチェでという、「ルノーの妹」の再現をしてみたかったからであります。
日本の老若男女を書きあげることで、日本人のアイデンティティーを表現できたという満足感があります。
あとは余韻で書ければ、作家人生としてこの上ない幸せであります。

平成十五年十二月二十三日 新 田 論