第十五章 『今、ここ』と『現在』

『今、ここ』の世界(宇宙)とは、時間に支配されない、始点も円周も終点もない世界(宇宙)に他ならない。
逆に言えば、
過去や現在や未来に想いを馳せている世界とは、時間に支配される、始点→円周→終点のある世界(宇宙)に他ならない。
従って、
過去とは円回帰運動の始点に他なりません。
現在とは円回帰運動の円周に他なりません。
未来とは円回帰運動の終点に他なりません。
この事実は途轍もない大きな示唆に富んでいます。
我々は、
過去は直前の過去から遥か彼方の過去まで拡がっていると思っていました。
未来は直後の未来から遥か彼方の未来まで拡がっていると思っていました。
そして、
現在は今この瞬間、すなわち、『今、ここ』と思っていました。
ところが、
過去とは、自分の人生が始まる時(始点)、すなわち、誕生時だけだった。
未来とは、自分の人生が終わる時(終点)、すなわち、死ぬ時だけだった。
そして、
現在とは、その間の過程(円周)、すなわち、生きている時すべてだった。
この事実は一体何を意味しているのでしょうか?
まさに、
現在とは、点ではなく線だったのです。
言い換えれば、
現在とは、実在ではなく幻想(映像)だったのです。
まさに、
過去・未来と現在を逆さまに捉えていたのです。
つまり、
現在は、決して、今この瞬間ではなかったのです。
言い換えれば、
現在は、決して、『今、ここ』ではなかったのです。
まさに、
過去→現在→未来という「心理学的時間の矢」とは、線(幻想・映像)に過ぎなかったのです。
そして、
『今、ここ』が、唯一の点(実在)に他ならなかったのです。