第六十九章 裏交渉が歴史をつくる

2008年の北京・オリンピックの開催が危ぶまれています。
1980年のモスクワ・オリンピックの時も、西側諸国の殆どが参加ボイコットをした中途半端なオリンピックになりました。
同じような雲行きです。
そこにチベット問題が湧いてきたわけです。
余りにもタイミングが良すぎます。
チベット問題の時の人であるダライ・ラマ十四世は、北京オリンピックには反対をしていないと言明していますが、その点に余計意図的なものを感じるのは筆者だけでしょうか。
訪米する途中で日本に立ち寄ったダライ・ラマ十四世は、わざわざ記者会見をして日本から世界にメッセージを送ったのは、一体どういう意図があったのでしょうか。
アメリカへ行く途中の立ち寄りならば、わざわざ記者会見などする必要はないし、そんな義務もないはずです。
そして、それから数日後に、ダライ・ラマ十四世は中国要人と秘密裏に会談をしたことを暴露しました。
ダライ・ラマ十四世が中国政府と水面下の交渉をしていたことが明らかになったわけです。
チベットにおける暴動がチベット独自の問題に原因があるのではなく、中国国内全土の問題であることを示唆しているのです。
中国政府は、中国全土に拡がる問題をチベット問題に矮小化して、事態を収拾するつもりなのです。
ダライ・ラマ十四世は、そういった中国政府が直面している大問題を利用して、チベットの自治権を得ようとしているわけです。
大同を得るには小異も辞さない。
今の中国政府の困惑状態が手に取るようです。
アメリカを筆頭に西側諸国は、ここで一気に東側諸国の残党である中国と北朝鮮を叩き潰す絶好の機会と見ているわけです。
聖火リレー問題に端を発して、北京・オリンピックボイコット運動へと拡がっていくのは火を見て明らかです。
聖徳太子が蘇我一族と物部一族との間で暗躍したのも、まさに、冷戦の最終段階と同じような状態だったのでしょう。