第六十一章 脅迫観念に陥った大衆

人口が増え過ぎると、人間ひとり一人の中により大きな脅迫観念が擡げてきます。
生き物には自分固有のスペースを必要とする特性がありますが、宇宙の法則に則しているからです。
星と星の間の距離が保たれなければ、星同士は衝突して共に消滅してしまいます。
宇宙の法則では対消滅と言って、正物質と反物質が衝突すると、両方共消滅してしまいます。
消滅しないためには、お互いの距離を一定に保っておく必要があるのです。
人間も同じで、二人の人間の一定の距離が保てなくなると、消滅の危機が及ぶと怖れる。
人口が増え過ぎると、人間ひとり一人の中により大きな脅迫観念が擡げてくる根拠がここにあります。
脅迫観念が高じてくると、自己の内部に分裂症状が発生してきて、遅かれ早かれ、気が狂うことになるのです。
500年前に始まった近代社会以降、人類の数は増え続け、二十世紀に至っては、100年間で16億人から63億人と4倍になった。
紀元0年から紀元1500年の1500年間で3億人から4.3億人と、100年毎の増え方はおよそ3%に過ぎなかったのに、二十世紀の100年では400%になったわけで、如何に異常発生であるか一目瞭然です。
その結果、現代社会に生きている人間は脅迫観念の塊となっているのです。
周りの人間を誰一人信用できない。
身内であっても信用できない。
それが現代社会の世相です。
いずれ、人類は発狂して集団自殺することになるのは必定です。
聖徳太子の時代の日本の人口は496万人で、やはり急増した時代です。
弥生時代には60万人程度だったのが、3世紀前半の卑弥呼の時代には300万人に増え、聖徳太子の時代の6世紀にはおよそ500万人に達していた。
数の桁は違っていても、同じ状態にあったわけです。