第六十章 貨幣制度の崩壊

民が頽廃すると国が滅び、国が滅ぶとその国の貨幣制度が崩壊します。
貨幣制度の崩壊の前兆として、“お金がすべてだ!”とみんなが思うようになる、いわゆる超拝金主義が蔓延します。
“お金が欲しい!”と誰でも思うのが人情でしょう。
しかし、お金は自然に湧いてくるものではなく、我々と同じ人間がつくった日本銀行という所で印刷しているものですから、数は限られています。
限られた数のものを奪い合うのがお金の本質ですから、みんながお金持ちになれることは絶対にあり得ません。
このことを理解していると、みんながお金持ちになれる道理がないことがわかってくると同時に、お金持ちになるには、道理に合わないことをしなければならないこともわかってきます。
そうしますと、よほどの理由(わけ)がない限り、人はお金持ちになることを避けて生きるようになります。
極貧に苦しみ抜いた経験からお金(モノ)に頼らざるを得なくなった。
他人に裏切られた経験からお金(モノ)に頼らざるを得なくなった。
こういった苦い経験をした人間だけが否応なしにお金持ちになる。
2000年間故郷を失ったユダヤ人がお金に頼らざるを得なくなり、ユダヤ国際資本と呼ばれ、世界の富の大半が彼らの懐に行ってしまったのも同じ理由(わけ)です。
人間というものも、他の生きものと同じですから、衣食住が足りていれば、それ以上のものを欲することは本来ないのです。
ところが現代社会は、前述しましたように、“お金がすべてだ!”とみんなが思うようになる、いわゆる超拝金主義が蔓延しています。
最大の原因は人口が増え過ぎた結果、過剰なほどの脅迫観念が人間に生じたからです。
過剰防衛、つまり、取り越し苦労がその原因にあります。
取り越し苦労は未来に想いを馳せることで生じると同時に、取り越し苦労することは絶対に実現しないという特性をも持っています。
超拝金主義が絶対実現不可能な考え方である所以です。
1400年前に生きた聖徳太子はそのことを既に見抜いていたのです。