第五十七章 的を射た冠位十二階

超格差社会が出現する。
二十一世紀の人間社会のことです。
言い方を換えれば、極端な支配・被支配二層構造の社会が実現するということです。
一握りの超大金持ち、つまり、支配者と、圧倒的多数の超貧乏、つまり、被支配者とに分けられた社会になるというわけです。
嘗て、アメリカの大企業の社長と平社員との給料差が何百倍もあったのに対して、日本の大企業の社長と平社員の差は10倍にもいかなかった時代がありましたが、日本でもアメリカと同じよう社会になるわけです。
フォード社をクビになったアイアコッカ氏が、クライスラー社の再建に成功して得た年収は100億円単位であった記憶があります。
その典型例が、映画スター、芸能人、プロスポーツ選手が得る法外な収入に表われています。
人間が生きる上で何の役にも立たない職業の人たちが、法外な収入を得るような社会が、超格差社会出現の兆候なのです。
つまり、バランスの取れていない社会だからです。
会計学の用語であるバランスシートとは、貸し方と借り方のバランスを表にしたものですが、バランスの取れた社会というのは、人間社会レベルで言えば、金持ちと貧乏のバランスが取れた社会であり、自然社会レベルで言えば、すべての種の数が増え過ぎもしないし減り過ぎもしない、自然の食物連鎖の法則が維持されている状態のことを指すのです。
格差社会、況してや、超格差社会が出現するということは、バランスが極端に崩れた状況になってきたことの兆候なのです。
先ずはさておいても、社会に実貢献した者に対する評価と、社会に実貢献しない者に対する公正な評価が為される社会が望まれます。
聖徳太子の冠位十二階の基準が、徳・仁・礼・信・義・智にあるというのは、正に、的を射ているではありませんか。