45.大衆化の波=競争の波

大衆化の時代到来を予測したのは、20世紀のはじめのスペインの哲学者ホセ・オルテガだった。
オルテガは大衆の特徴を次のように指摘している。
(1)他の人々と同一であると感ずることに喜びを見出している。
(2)現在のあるがままの自分に満足している。
(3)権利だけを主張して責任をとろうとしない。
行動することを志し、行動する際には自分の意志にもとづき、自分の意志を貫くからには結果に責任をとる、という能動性や主体性が大衆には欠けている、というわけである。
大衆は受動的な存在だといえるのである。
日本で大衆の出現という現象が顕著に現れたのは高度経済成長が終わりかける1970年代、つまり、団塊の世代が社会に進出しだした時期に符合する。
まさに、
受験競争、塾の出現という競争の時代到来と共に、大衆化がはじまったという皮肉現象が起こったのである。