第九十六章 懲りない野郎たち

シオ吉が ヘイ吉の密偵になっていた頃

ヘイ吉は 何度か シオ吉の 蛙の面にしょんべんの根性を 叩き直そうとした

口先では 一丁前の口上を吐くが やることは姑息だ

爾来 ヘイ吉は 何も言わずに シオ吉を 観察してきた

ヘイ吉は 想いだす

ヘイ吉どん!

あっしだって いざとなれば 肝を据えて事に臨みますぜ!

シオ吉!

いっていいつになったら 事に臨むんだい?

ヘイ吉どん!

何事にも 時期というものがあるじゃねえですかい!

シオ吉!

いってい 時期というのは いつのことなんだい?

結局 シオ吉が 事に臨んだことは一度もなかった

いわんや あいもかわらず 長いものに巻かれている

ヘイ吉は 想いだす

そういやぁ オカ吉も 口上は立派だが 一向に 事に臨まねえで あいもかわらず 長いものに巻かれていやがる!

ヘイ吉は 想う

懲りねえ 野郎ばかりだ!