第九十五章 悲鳴のシオ吉

ヨシ吉が 何か俺に用ってんのかい?

ヘイ吉の どぶねずみを見透かすような目で 睨まれたシオ吉は 慄然とした

思い出すなあ! あの瞬間(とき)のことが・・・いかん!いかん!

また同じ過ちを繰り返しそうだ!

どぶねずみを見透かすようなヘイ吉の目が 冷静さを奪い取ることを シオ吉は学んでいた

いかん!いかん!

ここで弱気を出すと つい逃げ口上を吐いてしまう・・・

ヘイ! ヨシ吉どんが ヘイ吉どんの様子を窺って来いと 云いなすったんで!

馬鹿やろう!てめえ!

ヘイ吉の怒鳴り声が シオ吉の肝を凍らせた

ひいひいひい!

またかい!てめえ!

いっていどうしたら いいんでえええ!