第八章 鬼の復活

どぶねずみは所詮盗人稼業だ

お天道さんの真下で堂々といられる立場ではない

それを瓦版稼業に鞍替えするなど 以っての外でい!

ひとさま(人様)の世では 瓦版稼業は仁義なき反社会勢力に敢然と闘う正々堂々たる聖職だ

鬼のヘイ吉はつくづく思う

どぶねずみまでが 聖職に身を委ねようとするってえのは言語道断でい!

金儲けのために 瓦版稼業を身に委ねようとするってえのは本末転倒でい!

数年前までは ヘイ吉は火付け盗賊改めの長官だったが 今では隠居の身だ

鬼のヘイ吉という異名は 火盗改めの長官から来たものだ

急ぎ働きの連中にとっては ヘイ吉はまさに鬼の存在だったが 急ぎ働きの大一家の頭領だったミノ吉が 子ねずみ同然だったヨシ吉に毒を盛られた

以来 急ぎ働きは陰を潜めた

ヘイ吉がヨシ吉を大事にしたのも肯ける

以来 瓦版稼業が頭をもたげてきた

鬼のヘイ吉の復活である