第七十五章 絶妙の関係

金太は 全身を黒い毛で覆われている

暗闇が実在である証拠だ

桃太は 全身が金の毛で覆われている

光が不在概念である証拠だ

だから 桃太は金太に歯が立たない

一見 桃太の方が立派だ

一見は百聞にしかずだ

だが 人様(ひとさま)とどぶねずみの世間では 黒を嫌い銭ばかり追い掛ける

桃太は 己をよくわかっている

絶妙の関係だ!

ヘイ吉は 金太と桃太を眺めて思った