第六十三章 ヘイ吉の溜息

金太! やってしまえ!

ヘイ吉は 意を決した

金太の知性は 人様(ひとさま)離れしている

金太は ヨシ吉の向こう脛に噛みついた

ヨシ吉の一番痛いところだ

桃太! やってしまえ!

桃太の鈍重さは 人様(ひとさま)離れしている

桃太は シオ吉の曝首に噛みついた

シオ吉の一番痛まないところだ

ドクロのシオ吉たる所以だ

蛙の面にしょんべんたる所以だ

ヘイ吉は つくづく溜息をついた