第四十七章 対面

ヨシ吉は おそるおそる ヘイ吉の前に にじり進んだ

盗人一味の中では ヨシ吉は いまや長老だ

長老になると誰でも 横柄な態度になる

人様(ひとさま)の世間でも どぶねずみの世間でも同じらしい

そんな横柄なヨシ吉も ヘイ吉の前では たじたじだ

ヘイ吉さま! ご無沙汰いたしておりやす!ヘイ!

最後に必ずヘイ!と付け足すのが 盗人一味の口癖だ

おい!おい!てめえ! あいも変わらずヘイ!と付け足すのかい?

ヘイ吉は どぶねずみの性根であり 盗人の性根に 失笑した

ヨシ吉の肝は 縮みあがった

ヘイ吉が失笑した後には 必ず雷が落ちるからだ

いえ!いえ! とんでもござんせん!

この野郎! いい加減にしろい!

傍にいた金太も ヘイ吉の怒声に震えあがった