第四十四章 金は鍵

金太は ヨシ吉に接触を図った

ヘイ吉の差し金であることは言うまでもない

ヨシ吉は 積極的な臆病者だ

だから どぶねずみの世間で出世した

シオ吉は 消極的な臆病者だ

だから どぶねずみの世間でも出世できない

だが しょせんはどぶねずみの世間だ

シオ吉にとっては 金太の登場は 願ってもない幸運だった

世の中 捨てる神あれば 拾う神ありだ

世の中 捨ててこそ 浮かぶ瀬もある

ヨシ吉が浮かべば シオ吉は沈む

ヨシ吉が沈めば シオ吉は浮かぶ

その鍵を握っているのが 他でもない 金太なのだ