第四十章 いろいろな優しさ

金太が 今流行のユティリティープレーヤーなら ヨシ吉は 流行遅れのユティリティープレーヤーだ

ユティリティープレーヤーに変わりはない

金太は 垢抜けしているが

ヨシ吉は どん臭い

いつの時代にも 垢抜けと どん臭いの 勝負が展開される

世代のせめぎ合いと言い換えてもいい

祖先から末裔へのバトンタッチと言い換えてもいい

先輩から後輩への順送りと言い換えてもいい

勝敗は火を見るよりも明らかだ

鬼のヘイ吉は思った

あの野郎! わかっちゃいるがああ 許せねええ!

師匠! ヨシ吉つぁんは もう歳ですぜ!

金太は 根っから優しい

ヘイ吉は 言うこととやることが真逆だ

金太! わかっちゃいるがああ 許せねええ!

金太は ヘイ吉をまじまじと眺めながら 尻尾を振った