第三十七章 一を聞いてゼロを知る

桃太のおつむりの悪さは別格だ

一を聞いて十を知るのは 人様(ひとさま)の世間でも 砂粒程度だ

大抵の野郎(女郎)は 一尺を聞いて一寸もわからねえ

おつむりの良い奴ほど 往生するものはない

一尺の尺庵漬けを 買いに出しても 一寸の尺庵漬けを買ってくる始末だ

それなら尺庵漬けにならねえだろう!

それなら寸庵漬けだろうが!

桃太は グズグズしながら ヘイ吉に意見を言う

うううう! うううう! うううう!

師匠! それは分庵(ブブ)漬けのことではねえですかい?

てええ意味らしい!

桃太は 一を聞いてゼロを知る

まったく その通りでい!

桃太! おめえはもっとえれい!