第三十五章 訳のわからぬ唸り声

鬼のヘイ吉は 二匹の二十日ねずみに 名前をつけてやった

金太と桃太だ

金太と桃太は ヨシ吉やシオ吉のような 下衆などぶねずみではない

出自はれっきとした 二十日ねずみだ

どぶねずみは 所詮 どぶねずみでい!

ヘイ吉は 吐き捨てるように言った

己の欲のために 平気で裏切りやがる!

それに比べて どうでい! この金太と桃太は!

余計な御託は一切並べず 尻尾を振るだけだい!

ただひとつ気になるのが 桃太の訳のわからねえ 唸り声でい!

うううう! うううう! うううう!

いっていおめえは 何を言いてええんだい!

うううう! うううう! うううう!

ああ!じれってい!