第三章 髑髏のシオ吉

御天道さまにも いい天道さまと悪い天道さまがいる

それがわからねえのが 髑髏のさだめだ

ヨシ吉はシオ吉をまざまざと眺めながら思った

ひとさまは いい天道さまを神さまに 悪い天道さまを悪魔になさった

性の悪いどぶねずみは その違いがわからねえ

ましてや 髑髏は 真っ逆様に思い込んでいやがる

おのれの都合のいいのを いい天道さまと思い込み 神さまと信じ込む

おのれの都合の悪いのを 悪い天道さまと思い込み 悪魔と信じ込む

ヨシ吉が ひとさまの鬼のヘイ吉に目を掛けられたのも もとを言えば この道理をわかっていたからだ

ひとは おのれの都合で判断しなさる

どぶねずみは ただの都合で判断しやがる

髑髏は 都合の都合で判断しやがる

鬼のヘイ吉は おのれの都合で判断しなさる

ヨシ吉は ただの都合で判断しやがる

どくろのシオ吉は 都合の都合で判断しやがる