第百二十二章 初心忘るべからず

ヨシ吉が 盗人稼業に入った理由があった

ヨシ吉の親父は 立派な二十日ねずみだった

親父の跡を継ぐつもりが 不景気の所為で 一家破産した

末子だったヨシ吉は 一家を離れて どぶねずみの世間に入った

ミノ吉一家に入ったのが 運のつきどころだ

根っからの どぶねずみでないヨシ吉は 急ぎ働きの ミノ吉一家に失望した

ところが ミノ吉親分は ヨシ吉をかわいがった

そして 毒まんじゅう事件が起こり ヨシ吉は 図らずも ミノ吉一家の跡目を相続した

初心・忘るべからず 

だが 初心忘れるのが 常だ