第百十三章 鼠突猛進の先陣

猪突猛進は 猪の十八番(おはこ)だ

鼠突猛進は どぶねずみの十八番(おはこ)だ

金太は どぶねずみ以下から 二十日ねずみに這い上がった

それが どぶねずみの暴走の結末だ

いちばん うしろから ついていく 桃太が 前のに 訊ねた

一体どこに向かって走っているのだろう

前のどぶネズミは 前が 走っているから ただ ついて行くだけ と言った

だけど、気になるので その前の どぶネズミに 訊ねた

一体どこに向かって走っているのだろう

その前のどぶネズミも おなじ 返事をしたが 気になった

そして 前のどぶネズミに 訊ねた

一体どこに向かって走っているのだろう

とうとう 一番前の金太のところまできた

一体どこに向かって走っているのだろう

先陣を切る金太は だれにも 訊ねることができない

うしろからついてくるから ただ 走っているだけ と答えた

その答えが 一番うしろの桃太に 伝わった

そりゃあー ないだろう ううううううう! と唸った途端

間の どぶネズミたちは 断崖から まっさかさま

ただ 二匹 先陣の金太と 殿の桃太は 呆然と立ちつくして

ああ 一番まえでよかった

ああ 一番うしろでよかった