第百六章 ヘイ吉の心情‐1‐

ヘイ吉は 火付け盗賊改めの長官を ながく務めていた

平たく言えば 盗人取り締まり役のボスだ

その盗人が どぶねずみの一味というわけである

人様(ひとさま)は 害毒な奴 偽善な奴 毒にも益にもならない奴 に三別される

その中で 害毒な奴が どぶねずみの世間に落ち込む

だが 所詮は どんな奴でも どうしようもない生き物に変わりない

ヘイ吉は そのことに気づいた

そして 火付け盗賊改めの長官を辞した

だが どぶねずみが余りにも繁殖したため 害毒な奴 偽善な奴 毒にも益にもならない奴の区分けがつかなくなってしまった

ヘイ吉は 仕方なく 火付け盗賊改めの長官に復活したのだ