第百二章 回想−1

ヨシ吉は 機転が利く

勝てる勝負しかしない

ヘイ吉とて 褌の紐を締めなければいけない

ヨシ吉に対しては 油断が禁物だ

下っ端だったヨシ吉が 盗人一味の親分に伸し上がった

盗人一味の大親分だったミノ吉が ヨシ吉に油断した

ヘイ吉は想いだす

どぶねずみの一家のミノ吉親分が言った

今日の晩飯は どこから調達したか

調達係りの 子ねずみのヨシ吉が答えた

へい! 今日は前の人間の住む家にいる猫から調達いたしやした

ミノ吉親分は 満足して言った

人間に飼われている猫からとは でかしたぜ

ミノ吉親分は 調達係りのヨシ吉に尋ねた

いつもは どぶのそこにある腐った晩飯ばかりなのになんで今日は特別なんだい?

猫を飼っている人間が今日はねずみの親分を特別招待のつもりで奮発したと

ミノ吉親分は満足して いつもの通り最初に食した

調達係りのヨシ吉は 固唾を飲んで様子を見ていた

その前で ミノ吉親分は 泡をふいて頓死していた

ああ いつも親分は 心地良い言葉には気をつけろと言っていなすったのに・・・

あっしは それを忠実に守ったのに・・・

その前で 頓死した親分が目を剥き、四つ足を上に向けて こう言っていた

おめえは偉い!

ヘイ吉は 武者ぶるいした

あの野郎! 俺にも毒を盛るつもりだ!