第十章 シオ吉とカン吉

シオ吉は 重い話が嫌いだ

軽い話なら 自ら鞭を打って勇気を奮うが 重い話になると まるで透明人間になったように その場から消える

鬼のヘイ吉の話は大抵が重い

それなら鬼のヘイ吉と袂を分かてばいいのだが・・・

それもできない優柔不断さが シオ吉の欠点であり いい点でもある

シオ吉の弟分にカン吉という律儀などぶねずみがいる

シオ吉とは およそ似つかぬカン吉だが 持ち前の律儀さが 兄貴分弟分の関係をながく保っている

それが不思議でもあり 微笑ましく想うヘイ吉は 度重なるシオ吉の優柔不断にも 目をつぶってきた

しかし 今度という今度はそうはいかねえ!

シオ吉! いってこい!

ヘイ吉は 顔面蒼白になったシオ吉をも試すつもりだ