第九十二話 5月5日

決行の日まで、あとひと月ちょっとだ。
決行の日の5月5日は、憲法記念日の二日あとだ。
雄仁は思った。
『何故、憲法記念日と子供の日が繋がっているんだろう?』
雄仁は憂鬱な気持ちになっていった。
「おまんは、何を愚図愚図言っておじゃるか!」
誰かが怒鳴っている。
『ここは無視するに限る!』
雄仁はそう決め込んだ。
『決行するのに、憲法記念日や子供の日と何の関係がおじゃるか!」
誰かが依然怒鳴っている。
万世一系は子孫を大事にする。
それが万世一系のすべてであるからだ。
『そうだ!』
雄仁は思わず膝をポンと叩いた。
・・・・・・・・・・・・・・・。
何を期待しておる!
・・・・・・・・・・・・・・・。
『子供がすべてであることを、憲法に記したかったんだ!わかった!』
決行の日を何故5月5日にしたのか、自分でもわからなかったのだが、それが今やっと解明された。
「いい加減にしろ!」
誰かが依然怒鳴っている。
『もうやるしかない!』
雄仁は更に決意する自分に陶酔するのだった。
2回決意は必要ないのに、彼は決意でも多くした方がよいと思っている。
これが万世一系の悪い癖であり、出雲と日向の反りが合わなかった原因である。
結果、国津神と天津神とに日本が寸断されてしまった。
「おまんは、何回決意をしておるのじゃ!」
誰かが怒鳴っている。
「2回決意をしたら、決意しなかったことになるではないか!」
誰かが依然怒鳴っている。
「決意は1回か3回か5回か等差数列だ!」
誰かが判明した。
『こんなややこしいことを言う奴はあいつに決まっている!』
丁稚のたけしが叫び声で囁いた。
さあ、どうする!
もう一回決意しなければ、元も子もなくなる。
大いに迷う雄仁は真剣だった。
馬鹿馬鹿しい!