第九十一話 ジャッカル!

もうええわい!?
ここからストーリーが展開されねばならぬ。
5月5日が、決行日「The Day」である。
雄仁は思った。
『ひょっとしたら、人生で最も長い一日「The longest day」になるかもしれない・・・』
そう言えば昔、「The longest day」という映画があった。
「Judah! This is the day between us!」
「Yes! This is the day!」
“タンタンタッタタタタッタタタタンタンタッタア!”
“ The longest day!The longest day!The longest day!The longest day!”
やっぱり外国は違う!
四回も繰り返す!
狭々しい日本ではせいぜい3回までだ。
その上、3回繰り返すと、雄仁の首筋に稲妻が走り、情欲に溺れさせてしまうのだ。
丁稚のたけしは、そうなると矢も盾もピストルも衣類も放り投げて、丸裸になる。
そして言う台詞はお決まりのやつだ。
「本官は、今から小休止に入ります!」だ。
都屋の前に立つと、背中から街宣車からの喧騒のような騒ぎだ。
“タンタンタッタタタタッタタタタンタンタッタア!”
“ The longest day!The longest day!The longest day!The longest day!”
そこへ、この台詞だ。
「Judah! This is the day between us!」
「Yes! This is the day!」
もうこうなったら誰も止めることはできない。
ところが世の中は思ったようには決していかない。
「まあ!雄仁はんや、おまへんか!」
都屋の主人・橿原公威の母親である女将が、店の中から雄仁の姿を見つけて声を掛けてきた。
「その節は、大変ご迷惑を掛けました・・・」
雄仁が殊勝に謝罪しようとすると、遮るように女将が言った。
「何をいやはんねん!あれで目が醒めはったんやから、あの子は・・・」
反対に礼を言われる始末になった。
『わからないものだ!世の中は・・・』
ほっと一息ついた雄仁に油断が生まれた。
わからないものだ!世の中は・・・
“タンタンタッタタタタッタタタタンタンタッタア!”
“ The longest day!The longest day!The longest day!The longest day!”
再び、街宣車からの喧騒のような騒ぎだ。
この様子は、何処か見憶えがある。
ジャッカルだ!
そうだジャッカルだ!
“タンタンタッタタタタッタタタタンタンタッタア!”はジャッカルがしでかした不始末だったのだ。
もうここいらでいいだろう!