第八十八話 京・江戸・浪花

京というところは奇妙な町だ。
奇妙がゆえに目につく。
江戸というところは粋な町だ。
粋がゆえに鼻につく。
浪花というところは怪訝な町だ。
怪訝がゆえに耳障りだ。
日本全国に小京都と言われる町が万とあるが、小江戸とか、小浪花と言われるところはひとつもない。
日本全国に小銀座と言われるのが万とあるが、小先斗町とか、小北新地と言われるところはひとつもない。
京に銀座をつくれば問題はない。
『そうだ!』
雄仁は思わず膝をポンと叩いた。
「つるつるずずずずううう!」
扇子を箸かわりに妙な音を発して食べる振りをする。
「・・・ううう!」
最後の音節が気になって仕方がない。
まったく取りとめのない話でも、まともに進む変な世界。
それが京の真骨頂だ。
『そうだ!』
雄仁は思わず膝をポンと叩いた。
そうすると、叩いた足の爪先が天に向かって反り返った。
「大丈夫です、何処も悪い処はありません」
天に向かって反り返った足はお辞儀をした。
「・・・ううう!」
勝手に音を発する右足を制御できずに、地団太踏む雄仁は、丁稚のたけしになりすました。
京というところは奇妙な町だ。
奇妙がゆえに目につく。
江戸というところは粋な町だ。
粋がゆえに鼻につく。
浪花というところは怪訝な町だ。
怪訝がゆえに耳障りだ。
日本全国に小京都と言われる町が万とあるが、小江戸とか、小浪花と言われるところはひとつもない。
日本全国に小銀座と言われるのが万とあるが、小先斗町とか、小北新地と言われるところはひとつもない。
京に銀座をつくれば問題はない。
『そうだ!』
雄仁は思わず膝をポンと叩いた。