第八十一話 地震・雷・火事・?

あああ、しまった!
この台詞は、「」でもなし、『』でもない。
誰だ!
我はでんでん虫である。
でんでん虫が、己となって夢の中に登場してくる。
蝸牛が己となって夢の中に登場してくる。
雄仁はふと気がついた。
『そうだ!自分が夢の中に登場するにはキャスティングが必要なのだ!それがでんでん虫であり蝸牛だ!』
流石に万世一系だ、着目点がいい。
夢の中に出演したいのなら、俳優になってキャスティングしてもらわなければ、出演できないのである。
たとえ通行人であってもキャスティングが要る。
蝶々になる夢を観るのもキャスティングの為せる業である。
蝶々が自分か、自分が蝶々か。
それをはっきりさせたいのなら、鑑賞者である以外に方法はない。
夢の中に出演したいなら、主役になるなんてあつかましいも程がある。
先ずは通行人、いやでんでん虫か蝸牛か蝶々を演ずることから始めるしかない。
最初から主役とはあつかましい。
平岡雄仁と南野たけしは紛れもなく夢の中の大スターである。
お前は、何を言うてんか!?
先ずはでんでん無視か蝸牛から始めよ!
よっしゃ!
「許せん!」
珍しく丁稚のたけしが声を荒げて叫んだ。
「@!」
雄仁に向かう場合は、必ず呟く。
それが万世一系と万世万系の格の違いなのだ。
「@!」
またまた南野たけしが新しい訛を編み出した。
「@!」
雄仁は黙ってただニタッと高々に笑うのだった。
@!*3は問題だ!
夢の方程式は@*3=地震・雷・火事である。
現実の方程式は@*4=地震・雷・火事・?である。