第七十五話 夢に登場!

よっしゃ!
「それはあんたの掛け声ではないか!」
丁稚のたけしが突然月光仮面の姿をして現れて、こっちに向かって叫んだ。
「あんたはいつも観ているだけで出演していないではないか。わしはちゃんと出演しているわい!」
姿は正義の味方の月光仮面だが、警官根性は抜けていないらしい。
「あんた」や「わし」や「わい!」という習い性の台詞を吐く。
警官の内装ではじめて似合う台詞であるのに、月光仮面の外装で警官の台詞は頂けない。
「それはあんたの掛け声ではないか!」
月光仮面が再び叫んだ。
「あんたはいつも観ているだけで出演していないではないか。わしはちゃんと出演しているわい!」
!?!?!?
「よっしゃ!」
うん!?
夢の世界を現実と思うと偉い目にあう。
丁稚のたけしは恐るべき凡人だ。
!?!?!?
また三回や!
もうどうでもええわい!
丁稚のたけしがやっと正気の狂気に戻った。
それで雄仁と正常な関係に戻れる。
雄仁は狂気の中で正常だ。
プラスとマイナスでゼロだ。
北極と南極で赤道直下だ。
エクアドルは北極と南極が結婚した場所である。
太陽は月で、月が地球で、地球が太陽という相対性理論である。
脱ぐのはやめろ!と脱ぎたい!とは同じ心理だ。
味噌は糞。
それなら味噌が糞で、糞が味噌だ。
やがて味噌と糞が結婚して味噌糞であり。
「いい加減にしろ!」
警官のたけしが月光仮面の姿で怒鳴った。
「いい加減にしなさい!」
雄仁も真裸になって静かに怒鳴った。
やはり夢は観るものである。