第七十二話 お前は一体誰だ

伏見への散策で気づいたことがある。
今、自分は何を想い、何をすべきか。
先ず想うことから、すべてが始まるようである。
しかし、想うだけでは、血となり肉とならないのも真理である。
そこに、何をすべきか、という課題が迫って来る。
阿呆な人間は、それを味噌も糞も一緒にする。
気づけば、何てことはない。
気づかずに生きている人間という生き物は一体何者だ。
「何だ!これは!」
「一体何だ!これは!」
他人に問いかけてみる前に自分に問いかけてみるべきではないだろうか。
『何だ!これは!』
『一体何だ!これは!』
そうすれば、二元的世界に自分が生きていることを思い知らされる筈である。
『何だ!』
『これは!』
は本来別々である筈だ。
それを、
『何だ!これは!』
『一体何だ!これは!』
その上に、
「何だ!これは!」
「一体何だ!これは!」
と他人まで巻き込んでいる。
これこそ、まさしく、味噌と糞である。
雄仁は何処へ行った。
たけしは何処へ行った。
お前は一体誰だ。
夢を観ている者。
夢の世界にいる者。
観ている者と観られている者の間にいる者。
お前は一体誰だ。
間にいるお前は、まさしく透明人間だ。
だから味噌も糞になるし、糞も味噌になる。
お前は一体誰だ。
・・・・・・・。