第六十九話 暴力の意味

武家社会は暴力団。
公家社会は非暴力団。
これが人間社会の実相である。
暴力団の前身はやくざであるが、そのまた前身は一本差しの侠客であり、二本差しの武士から町民を守る役割で生まれたのである。
その侠客が権力を握った武士と結託したのが、やくざであり、暴力団である。
だから、やくざや暴力団は、必ず国家権力と結託する。
『許せん!』
雄仁がそう思うのは、やはり万世一系の血が騒ぐからであろう。
万世一系の世界は、暴力を否定する。
暴力は武家社会の十八番である。
『許せん!』
熟(つくずく)そう思う雄仁だった。
「それでは本官は、暴力団でありますか?」
丁稚のたけしが、外装を脱ぎ捨て、内装に戻って、雄仁に謹んで言上した。
「阿呆!」
品位の人間が吐くべき言葉とは思えない。
「阿呆んだら!」
官位の人間でも吐かない言葉だ。
「糞ったれ!」
下賎の人間でも普段吐かない言葉だ。
「Fuck yourself!」
暴力団でも幹部は吐かない言葉だ。
「阿呆!」
「阿呆んだら!」
「糞ったれ!」
「Fuck yourself!」
雄仁はたけしにみんな言った。
さすがのたけしも切れてしまって、内装の警官服も脱ぎ捨てて、丸裸になった。
たけしの股間を凝視した雄仁は仰天した。
「何だ!これは!」
そう叫んだ瞬間、例の稲妻が首筋に走った。
「何だ!一体これは!」
今度は、例の稲妻が丹田と股間の三角デルタを走った。
「パチ!パチ!パチ!」
たけしがゴリラが胸叩きをするような仕草をはじめた。
三回なら、まだ稲妻だけで済む。
「パチ!パチ!パチ!パチ!・・・・」
切り目なく続けるたけし。
雄仁も切れてしまった。
「パチ!パチ!パチ!パチ!・・・・」
どっちが暴力団で、どっちが非暴力団だ!