人類の朝焼け

おおきな、おおきな 骨の棒を振りかざし 二本足の獣が闊歩する

洞穴の中で たがいに抱き合って 夜の恐怖に震えていたのが、まるで

嘘のように雄雄しく闊歩する

朝がやって来るとほっとする、朝焼けが命の調べ

朝焼けが光を生むことを知った朝、手弱い獣が雄雄しく胸をはる

その獣の両手から、おおきな、おおきな 骨の棒が朝焼けの空に

放り投げられる

世界でもっとも凶暴な獣の誕生を祝福するかのように朝焼けが世界を

照らしだす

朝焼けに慄く四本足の獣が手弱く洞穴に駆けこんで昼の明かりに震え

ながら 夜を待つ

だけど 二本足の獣はもう夜を恐れない

そのとき世界は夕焼けの死のプロローグ

あれから どれだけの時間が経っただろう

いまや 夕焼けの死のエピローグ


(参考)心の旅の案内書 〜 時空の世界に生きる