新しい日本

はじめに

人類の歴史は、これまで人間社会だけに限った歴史であって、人間を包摂する自然、更には地球、太陽系、銀河系・・・といった宇宙を貫いた歴史の中で語ってきた例はありません。
宇宙の歴史を鳥瞰する中で人間の歴史を検証してみることでしか、人類の真の歴史を語ることはできない筈なのに・・・そういった紆余曲折の人間の歴史の中で、多くの国が誕生・消滅を繰り返してきました。
日本という国が今後とも存在している保証はありません。
多くの国が消滅してきたことは過去の歴史が証明しています。
二十世紀で最も長く多くの悲劇を生んだ冷戦において、一方の主役だったソ連という国が消滅したのを筆頭に、ユーゴスラビア、チェコスロバキア、東ドイツ・・・と東側諸国の多くが消滅しました。
国家は消滅しても、そこに生きている国民(民衆)は決して消滅しません。
ソ連国民がロシア国民やウクライナ国民になり、ユーゴスラビア国民がセルビア国民やボスニア国民やマケドニア国民になり、チェコスロバキア国民がチェコ国民とスロバキア国民になり、東ドイツ国民がドイツ国民になっただけのことであります。
国(国家)というものは、まるで幻想のようなものなのです。
では国家の誕生・消滅のきっかけは何なのでしょうか。
戦争が国家誕生・消滅の一番大きなきっかけであったことは、古代におけるアテネとの戦(トロイ戦争)に敗北したトロイの国が消滅したのをはじめに、二十世紀における二度の世界大戦と冷戦が証明しています。
トロイ戦争で勝利を収めたアテネの王・アガメムノンは強欲残虐でしたが、彼にはアキレスという義の勇者がついていたのに対し、消滅したトロイの王・プリアモスにはヘクトルという賢者の息子がいたにも拘わらず、アポロン神を盲信するあまり、ヘクトルの意見よりも、祭司の言うことを聞いた結果、国を消滅させてしまうのです。
第一次世界大戦でひどい目に遭ったドイツ国民は、ヒットラーという救世主の登場に過剰な期待をした結果、国家の消滅を招きました。
アキレスにしても、ヒットラーにしても、従来の常識では推し量れない人物、つまり、「新しい人間」であったわけです。
「新しい人間」が登場する時期に、国(国家)が誕生・消滅する。
第一次世界大戦と第二次世界大戦の狭間で国(国家)の誕生・消滅が起こり、冷戦が終焉する中でやはり国(国家)の誕生・消滅が起こりました。
二十一世紀においても、「新しい人間」の登場によって、国(国家)の誕生・消滅が起こることは必定であり、その中で生き残っていく国(国家)は、何を為すべきなのかが問われます。
仮に生き残ったとしても、それらの国もやはり新しい国(国家)に変貌しているであろうことは予想に難くありません。
日本という国(国家)も、新しい国(国家)に変貌していなければ、国(国家)の消滅から免れることは叶いません。
その生き残り対策を「新しい日本」で提案してみたいと思っております。


2007年1月1日   新 田  論


第一章 「新しい猿」人類 第三十九章 “近代(現代)”から“新代”
第二章 天皇家の先祖 第四十章 “新代”の常識
第三章 人類の先祖 第四十一章 「新しい猿」と「旧い猿」
第四章 万物の先祖 第四十二章 新しい「地動説」=「自動説」
第五章 本当の世界 第四十三章 「旧い人間」の決定的な錯覚
第六章 国(国家)の消滅 第四十四章 「自動説」
第七章 誕生・生・死の実相 第四十五章 「自動説」=絶対客観説
第八章 進化 第四十六章 「暗黒の中世」から「錯覚の近代(現代)」
第九章 錯覚症状の亢進 第四十七章 「錯覚の近代(現代)」から「覚醒の新代」
第十章 幻の新しい世界観 第四十八章 「(猿)芝居の近代(現代)」から「鑑賞の新代」
第十一章 新しい世界(四つの可能性) 第四十九章 「新しい人間」=鑑賞人間
第十二章 天国か地獄の時代 第五十章 鑑賞者と鑑賞されるもの
第十三章 「軸の時代」の意味 第五十一章 新しい考え方
第十四章 集合意識 第五十二章 「新代」のキーワード
第十五章 集合意識の進化 第五十三章 「新代」の「時間」と「空間」
第十六章 個別意識と集合意識の関係 第五十四章 「新代」は高度自由社会
第十七章 「組織の時代」から「個人の時代」へ 第五十五章 『死』の問題解決の第一歩
第十八章 「個人の時代」の社会 第五十六章 よく生きること、よく死ぬこと
第十九章 相対進化論から絶対進化論へ 第五十七章 真の友達
第二十章 絶滅の危機か更なる進化か 第五十八章 死という約束事
第二十一章 絶滅の危機を食い止める方策 第五十九章 はじめに死に方ありき
第二十二章 肝腎な人間とは 第六十章 死期の知り方
第二十三章 「新しい人間」の選定基準は“勇気ある知性” 第六十一章 寿命
第二十四章 「新しい人間」の判断基準(1) 第六十二章 バランスの取れていない近代社会
第二十五章 「新しい人間」の判断基準(2) 第六十三章 自ら命を絶つ権利
第二十六章 「新しい人間」の判断基準(3) 第六十四章 すべて間違っている人間
第二十七章 科学からの脱却 第六十五章 すべて自分独りで決める人生
第二十八章 「新しい社会」とは女性社会 第六十六章 突然の死 vs. 納得の死
第二十九章 女性社会の本質 第六十七章 怖くない死
第三十章 拝金主義と超拝金主義 第六十八章 本当の生=死
第三十一章 新しい軸の時代 第六十九章 死の実相(1)
第三十二章 「超」の世界 第七十章 死の実相(2)
第三十三章 真の進化 第七十一章 死の実相(3)
第三十四章 「新しい社会」の主人公 第七十二章 目覚めよ!人間!
第三十五章 受身的な宗教・科学 第七十三章 死を怖れる理由
第三十六章 新しい聖職 第七十四章 先伸ばしの人生
第三十七章 想像的(受身的=発見的)な社会 第七十五章 真の自由=死からの自由
第三十八章 新しい時代のパラダイム 第七十六章 死への誘い


おわりに

人類はとんでもないことをしでかしてしまったようです。
万物の霊長などと自画自賛したことが、天に唾する自殺行為になったのみならず、母なる大地・地球までも巻き込む大仕業を起こしてしまったのです。
母なる大地・地球は、いまあっちこっちで悲鳴をあげています。
地球温暖化などはまだ小さな問題で、これから起こるであろう自然現象は想像を絶するような災害を人間社会に及ぼすでしょう。
しかし、それを自然災害や天災などと口が裂けても言えません。
明らかに人間社会が惹き起こした人災なのです。
人類が創造した文明。
その文明に支えられた人類の歴史。
古代・中世・近代、そして、現代と辿ってきた文明の歴史の負の遺産が、いま一気に噴出そうとしているのです。
新しい時代がやって来るのか。
古代・中世・近代、現代の延長線上には、新しい時代はありません。
それまでの常識を破るから“新しい”と呼ばれるのです。
文明という常識を破った“新しい時代”、つまり、“新代”こそが、未来のある人間社会を生み出す切り札になるのです。
今までの常識を見直すことが、本書の狙いでありました。
何度も読んで頂いて、新しい常識を体に落とし込む一助になればとの思いで書き上げたつもりです。


平成19年7月12日      新 田  論