第三章 社会科学の哲学 & 人文科学の哲学

古代においては学問のすべてであったのに、中世から近世、近代、そして、現代へと辿ってきた哲学の歴史は、哲学自身が政治学や経済学といった、現代で云うところの社会科学への専門化の道に陥ってしまった。
更に、
近代、そして、現代に至って、哲学は文学や言語学(国語)や歴史学や心理学や宗教学や、そして、狭義の哲学といった現代の区分法で云うところの人文科学の一つになり下がってしまった。
まさに、
イギリスの物理学者スティーブン・ホーキングが彼の著作「ホーキング、宇宙を語る−ビッグバンからブラックホールまで」の中で哲学の凋落ぶりを語っているのがその証明である。
“19世紀と20世紀には、科学は哲学者、いや少数の専門家以外の誰にとっても、あまりに技術的、数学的になりすぎた。
哲学者は探究の範囲を大幅に縮小し、20世紀のもっとも有名な哲学者でもあるウィトゲンシュタインが『哲学に残された唯一の任務は言語の分析である』というほどになった。
アリストテレスからカントに至る哲学の偉大な伝統からの、これはなんという凋落ぶりだろう!”
古代においてはすべての学問を総称して哲学と呼ばれていたものが、現代に至っては、人文科学の一つである言語学にまでなり下がってしまったわけだ。
せめて、
社会科学の一つである政治哲学や経済哲学にまで復活することからはじめなければならない。