第六章 冷戦の勝利

核兵力ではソ連を圧倒していたアメリカだったが、「戦略爆撃」の時代が終焉を告げはじめた。
原因は、宇宙開発戦争(競争)において、ソ連に出し抜かれた結果だ。
世界で初の有人飛行に成功したソ連は、ロケット開発でアメリカの先を行った。その結果、
弾道ミサイル開発で、アメリカの大陸間弾道ミサイル(ICBM=Intercontinental Ballistic Missile)を無力化する多弾頭独立目標再突入ミサイル(MIRV= Multiple Independently-targetable Reentry Vehicle)の開発に成功し、戦争形態が「戦略爆撃」から「ミサイル戦」に移行した。
ソ連の絶頂期である。
ベトナム戦争が疲弊した上に、核戦略でもソ連に追い抜かれたアメリカ。
そこへ、
レーガン大統領が登場した。
1980年代だ。
そして、
SDI構想(スターウォーズ計画)をレーガンは突然発表した。
「ミサイル戦」でアメリカを凌いだソ連だったが、そのミサイルを完全無力化するのがSDI構想(スターウォーズ計画)だった。
1986年11月、アイスランドの首都レイキャビックでレーガン大統領とゴルバチョフ書記長との2度にわたる首脳会談が行われ、その後、ソ連は坂を転げ落ちるように崩壊の途を突っ走った。
冷戦でのアメリカの勝利の瞬間で、以降、パクス・アメリカーナは現在まで、表面上は続いている。