第四章 空を制した国民国家アメリカ

第一次世界大戦に航空機は既に導入されていたが、しょせん、空中戦としての航空機であった。
飛行船を空中戦の武器として一番洗練されて使用していたフランスやイギリスといったヨーロッパの国に対して、アメリカは戦争自体を忌避する国だった。
そういった中で、第一次世界大戦が勃発した。
そして、
イタリアの軍人ジュリオ・ドゥーエが「戦略爆撃」を理論化した。
彼の言を借りれば、“戦略爆撃こそが、強者が一方的に弱者を蹂躙する近代戦争の一面を端的に体現したものである”
そして、
それから四半世紀後に、アメリカが東京大空襲を敢行した。
B29戦略爆撃機に積み込んだM69焼夷弾によって日本全土を焦土化した。
まさに、
“戦争はこれほど無残で血なまぐさく、おぞましいものだから、ともかく一刻も無駄にせずに終わらせるほかなく、そのためには人道的だろうがどうだろうが、あらゆる手段で勝利する以外にはない”
第一次世界大戦までハーグ条約によって、戦闘員以外への攻撃は禁止されていたが、第二次世界大戦ではまったく無視されたのである。
その結果が、
第一次世界大戦での戦闘員の死者が95%、一般市民の死者が全体の5%に過ぎなかったのに、第二次世界大戦では、戦闘員が33%、一般市民が67%にも上った。
因みに、
各国の第二次世界大戦での死亡者は、
           戦死者       民間死亡者
ソ連        700万人     1450万人
中国        130万人     1000万人
ポーランド      85万人      580万人
ドイツ       285万人      230万人
日本        230万人       80万人
ルーマニア      52万人       47万人
イタリア       28万人        8万人
フランス       21万人       17万人
イギリス       27万人        6万人
オーストリア     38万人       14万人
アメリカ       29万人          0
その他        68万人          0
計        1693万人     3432万人