第二章 利益の概念=差別の概念=戦争の概念

近代資本主義の盟主が大英帝国であったのは、文明の第二の波である産業革命の発祥の地がイギリスであったからだ。
パックス・ブリタニカの所以がここにある。
では、
パックス・アメリカーナの所以は文明の第三の波である情報革命の発祥の地がアメリカであったからか?
そうではない。
パックス・ブリタニカであったのは、文明の第二の波である第一次産業革命の発祥の地がイギリスであったからだ。
そして、
パックス・アメリカーナであったのは、文明の第二の波である第二次産業革命の発祥の地がアメリカであったからだ。
まさに、
人類が二次元の世界から三次元の世界へ飛翔できたのは、アメリカのライト兄弟が飛行機を発明したからである。
人間社会だけに発生した(差別・不条理・)戦争の概念にも発展段階があって、初期の段階における戦争は一次元の世界、すなわち、陸上戦だけであった。
ところが、
戦争が大規模化すると、兵站能力の差が勝敗に大きく影響することがわかった結果、運搬能力という後方支援能力が注目を浴びることになって、海上戦、すなわち、二次元の世界が重要になった。
まさに、
戦争の勝敗を牛耳るのは制陸権から制海権へ移行し、逸早く、イギリスが制海権をスペインから奪った結果のパックス・ブリタニカであった。
ところが、
20世紀という世紀は、大戦争の世紀だった。
第一次および第二次世界大戦が起こった世紀である。
戦争の規模が超大型化した時代である。
その結果、
戦争が超大規模化すると、兵站能力における量及び質の差が勝敗に大きく影響することがわかった結果、運搬能力という後方支援能力にも、量のみならずスピードが注目を浴びることになって、上空戦、すなわち、三次元の世界が重要になった。
そうすると、
超大型戦争の勝敗を牛耳るのは制海権から制空権へ移行し、飛行機を発明したライト兄弟のアメリカゆえのパックス・アメリカーナであった。
まさに、
人間社会を不幸に落とし込む戦争は、差別の概念の先鋭化が勝敗を決するという皮肉な結果を生む証明である。
言い換えれば、
利益の概念の先鋭化が、差別の概念の先鋭化を生み、差別の概念の先鋭化が戦争の勝敗を決するという皮肉な結果を生む証明である。