第二章 支配・被支配二層構造の社会

「経済」の語源である「経世済民」の本義とは世を治め、民を救済することであるはずなのに、世を乱し、民を苦しめる「乱世苦民」の「乱苦」になった原因は一体どこにあったのか?
建前は「経世済民」の「経済」であったのに、
本音は「乱世苦民」の「乱苦」であった。
平等な世界を標榜しながらも差別を繰り返す我々人間社会。
公正な世界を標榜しながらも不条理を繰り返す我々人間社会。
平和な世界を標榜しながらも戦争を繰り返す我々人間社会。
平等・公正・平和を標榜しながらも、差別・不条理・戦争を繰り返す我々人間社会。
まさに、
建前は平等・公正・平和。
本音は差別・不条理・戦争。
これが文明社会12000年の歴史の正体だった。
ペットブームが起こって久しい日本だが、欧米社会では近代社会になってすぐにペットブームがやってきた。
英国やドイツではペットを迫害すると犯罪になる。
昨今の日本でもそうなった。
なぜペットブームなのか?
“癒されるから”
癒しがペットブームの最大の要因である。
では、
一体ペットの何で癒されるのか?
言うまでもなく、
ペットには本音しかなく、建前など微塵もないからだ。
言い換えれば、
ペットの心を疑う余地など一切ないぐらい信用できるからだ。
どうやら、
他者・他人を完全に信用できたら癒されるらしいことがわかってきた。
本音で生きるとは、他人を信用して生きることに他ならないのである。
言い換えれば、
自他の区分けなく生きることが本音で生きることに他ならないのである。
では、
我々人間は12000年前からなぜ自他の区分けをして生きるようになったのだろうか?
言うまでもなく、
農耕型社会に変わったからである。
では、
放牧型社会と農耕型社会の決定的違いは一体何なのか?
放牧型社会とは、
支配・被支配二層の区分けがなく、従って、世襲・相続という差別慣習もないスクゥエアー型平等社会である原始共産制社会。
農耕型社会とは、
支配・被支配二層構造に基づく世襲・相続という差別慣習のピラミッド型差別社会である古代奴隷制社会。
そして、
農耕型社会の最大の特徴は、
備蓄が可能な穀類の採集によって、蓄積する者と、蓄積しない者、つまり、豊かな者と貧しい者の区分け意識が発生した点にある。
この特徴は人類に二つの革命的変化を齎したのである。
一つは、
経済の概念が誕生したことである。
一つは、
支配する者(蓄積する者=豊かな者)と支配される者(蓄積しない者=貧しい者)の二層社会が誕生したことである。
まさに、
12000年前に起こった文明社会と共に誕生した経済の発生原因からして、
「経済」の語源である「経世済民」の本義とは世を治め、民を救済することであるはずなのに、世を乱し、民を苦しめる「乱世苦民」の「乱苦」になっていたのである。