眠るな!若者たち!
はじめに

日本人の平均寿命は男女合わせて80歳を超えたようですが、人間の本来の寿命は70歳らしい。
ことの真偽は別として、現に、人間が他人の介護なくして独りで生きてゆける年齢は70歳程度です。
いくら80歳を超えた平均寿命であっても他人の介護なしには生きてゆけないご老人たちは、失礼だが生ける屍同様です。
そして、日本の人口およそ1億2700万人の中、65歳以上のいわゆる老齢人口は2900万人、その中で75歳以上は1500万人に達しています。
まさに、日本人の4人に1人が高齢者なのです。
他方、15歳から64歳までのいわゆる労働人口は8100万人、14歳以下の若年人口が1700万人。
2011年時点での統計ですが、要するに、日本人の1/3が扶養家族であるわけです。
一方、日本人の中で億万長者(1億円以上の現金を持っている日本人)がおよそ150万人いて、その総額は800兆円と云われ、その大半が65歳以上の老齢者なのです。
ところが、国の国家予算は92兆円であるのに、国の借金の返済に100兆円、年金支出額は34兆円という始末です。
また、2006年の医療費は32兆円。
これが2015年になれば85兆円になるといわれていますが、ほとんどが65歳以上の老齢者によって消費されています。
このデータは一体何を示唆しているのでしょうか?
まさに、日本政府が貯めに貯め続けた財政赤字が、現在の労働層の8100万人の人たちと、若年層の1700万人の人たちの肩に重くのしかかっているのです。
この事態が深刻化するのは時間の問題と言ってもいいでしょう。
今ここで何とかしなければならない。
では、誰がすべきなのか?
先行き短い老齢者に期待するのは、心情的にも不可能です。
やはり、自分たちの将来は自分たちで切り開くしかない。
そんな状況下で、眠っていていいのか?
まさに、眠るな!若者たち!


平成24年3月11日  新 田  論


第一章 親は子孝行か子不孝か? 第五十一章 人生50年の時代
第二章 親は子の不幸を期待している 第五十二章 潔さという徳(1)
第三章 親は子にとって最大の敵 第五十三章 潔さという徳(2)
第四章 反抗期=自立の目覚め時期 第五十四章 潔さが欠落した現代人
第五章 潜在能力の差 第五十五章 知(知識)に走り過ぎた現代若者
第六章 日本人は英語が苦手 第五十六章 知(知識)より大事なもの
第七章 潜在能力を100%発揮する方法(1) 第五十七章 知性(知識)は不完全なもの
第八章 潜在能力を100%発揮する方法(2) 第五十八章 完全な知性へ(1)
第九章 潜在能力を100%発揮する方法(3) 第五十九章 完全な知性へ(2)
第十章 世間の罠(1) 第六十章 死のエネルギー
第十一章 世間の罠(2) 第六十一章 自殺(自死)以外の死などない
第十二章 世間の罠(3) 第六十二章 死の理解が現代若者には不可欠
第十三章 世間の罠(4) 第六十三章 死の理解が人間には不可欠
第十四章 世間の罠(5) 第六十四章 死の理解が人間には最重要課題
第十五章 新国際人としての自覚 第六十五章 死んだ方がましな大抵の人間
第十六章 どぶねずみの暴走 第六十六章 財政赤字の元凶
第十七章 人間のどぶねずみ化 第六十七章 知識だけでは百害あって一利もない
第十八章 反逆児たれ! 第六十八章 自業自得の人類
第十九章 アマゾネス女とマザコン男 第六十九章 人類と人間の違い
第二十章 間違った子供教育 第七十章 自他の区分け意識の功罪
第二十一章 幼児教育は母親自身でするしかない 第七十一章 恐怖の正体は無知
第二十二章 塾・幼稚園は無用 第七十二章 不完全な死の理解
第二十三章 人間の基礎 第七十三章 不完全な死の理解の所以
第二十四章 心の自由を奪われる子供たち 第七十四章 完全な死の理解は間近い
第二十五章 最上の教育者=母親 第七十五章 自分の正体
第二十六章 青春とは? 第七十六章 死の正体
第二十七章 地球の一員の自覚 第七十七章 死の恐怖の正体
第二十八章 人間社会の一員の自覚 第七十八章 フェアー(公正)な人生がベスト
第二十九章 本当の自分の発見
第三十章 自分独りの人生
第三十一章 独りで生きる自覚
第三十二章 死のリハーサル
第三十三章 死は祝い事
第三十四章 安楽死を合法化に
第三十五章 財政赤字の解消法
第三十六章 お金がすべてではない時代がくる
第三十七章 なぜ『今、ここ』なのか?
第三十八章 若者とは?
第三十九章 今を逃したらチャンスは二度とない
第四十章 年寄りは若者孝行をせよ!
第四十一章 真の親子関係(1)
第四十二章 真の親子関係(2)
第四十三章 28歳が鍵
第四十四章 結婚制度は間もなく消滅する
第四十五章 現代は若者受難の時代
第四十六章 悲惨な20代女性
第四十七章 慈悲の雨
第四十八章 自殺のすすめ
第四十九章 人間だけの特権
第五十章 人生観が大きく変わる時代


おわりに

眠るな!若者たち!と私が呼びかけたのは、十代の若者ではなく、三十代の若者たちを中心にした人たちでした。
今一番生きるのに苦労していて、リーマンショックによって彼らの収入が激減したからです。
ところが、その三十代の若者の中から6月10日に戦慄的な事件が惹き起こされました。
わたしが生まれ育った大阪の中で最も親しみを持っていた繁華街、心斎橋で通り魔事件が起こったのです。
刑務所から出所した直後の若者が生きるのに希望をなくした挙句の犯行だった。
二人の被害者をまるで残酷な子供がせせら笑いながら昆虫や蛙をなぶり殺しするように殺害したのです。
正気の沙汰ではありませんが、このような事件が今後ますます頻発する悪い予感がしてなりません。
普通、人間は夜、床に就いている間は眠っているが、昼、起きている間は眠っていないと思っています。
ところが夜、眠っている間に見ている世界は眠りから覚めたとたんに現実ではなく夢だったことに気づくのに、昼、起きている間に見ている世界はずっと現実だと思い込んでいます。
まさに、眠りこけたままで覚めていない証です。
この状態は、このような殺人者だけではなく、私たち普通の人間も同じなのです。
だから、このような事件が今後ますます頻発する悪い予感がしてならないと申し上げたのです。
まさに、眠るな!若者たち!



平成24年6月27日  新 田  論