Chapter 68 微温湯から出る覚悟

『今、ここ』を如何に生きるか。
この実践をする前に、わたしたちは先ず、『今、ここ』に生きる決心をしなければなりません。
殆どの方が、頭ではわかっておられるでしょうが、身体でわかっておられないのが実態だと思います。
何故でしょうか。
いろいろな原因があるでしょうが、最大の要因は平和ボケでしょう。
微温湯ボケと言ってもいいかもしれません。
わたしたち、現代日本人の殆どが、戦争を経験していないのですから、真の平和というものすらわかっていないのです。
軍隊を持っている国では、少なくとも一時期は徴兵義務があって、国民が疑似戦争体験を味わうのに対し、我が国民は、平和の意味すらわかっていないのであります。
平和ボケでも、微温湯ボケでも、それがずっと続いてくれるなら、それも一興だと言う意見もあるでしょうが、そうはいきません。
わたしたちは、今までに多くのエネルギーを消費してきた結果、仮想平和を味わってきたのですが、代替エネルギーを補給せずに来たのです。
使用不可能なエントロピーで充満しているのが、わたしたちの世界です。
従って、頭でっかちになって、体験することがまったくなくなってしまったようです。
微温湯にどっぷり浸かっている人に、湯船から出るように説得しても無駄でしょう。
それなら、微温湯の入っている湯船の栓を抜くしか方法はありません。
もう間もなく、わたしたちの浸かっている大きな微温湯の湯船の栓を、否応なしに抜かれる事態に突入するでしょうが、出来れば自主的に栓を抜くか、湯船から出ることです。
わたしたちの、これからやって来る実舞台の予告編が背景画面に映されているのが、みなさん見えないのですか。
見えないものを、観ろと言っても無理でしょう。
しかし、わたしには背景画面が見えるのです。
多分、みなさんの背景画面には、正夢の映像が映っているのでしょう。
テレビならチャネルを変えればいいでしょうが、映画はそうはいきません。
映像フィルムを変えないとだめです。
わたしが観ている背景画面の映像を、みなさんが観る方法は二つあります。
ひとつは、ひとつしか席がないわたしの劇場の四階で立ち観することです。
ふたつは、映像フィルムをわたしから借りて、自分の劇場に戻って映写することです。
どちらにしても、ほんの少しの間、微温湯の湯船から出なければなりません。
さあ、どうしますか。
今、日本の若者の間に、エイズが爆発的に広がっています。
恐いもの知らずで育ってきた若者に、恐怖が襲ってきたのです。
人知を超えた存在を認めない日本の若者たちに、七人の天使(テンシ)が舞い下りて来たのです。
彼ら若者の額には×印がついています。
これから、彼らに襲って来る災厄をもう回避することは不可能なところまで来てしまいました。
さあ、わたしたち日本の大人はどうしたらいいでしょうか。
そんな背景画面がわたしには見えます。
微温湯の中で生まれ育った彼らです。
微温湯から出れば、それこそエイズ発病です。
それでも、わたしたちは微温湯から出なければなりません。