Chapter 44 夢を演出する

夢を自由自在にできると、どんな現象が起こるのでしょうか。
今までお話してきたことを充分に理解することによって、わたしたちは、それまでのように、夢を現実だと勘違いする生き方から、夢は単なる自分の人生の背景画面であり、その前に広がる舞台で展開されている芝居が自分の本当の人生であることを認識した生き方に変わって行くのです。
即ち、『今、ここ』を生き切る生き方であります。
飽くまで夢は背景画面でありますが、背景画面が舞台にマッチしたら舞台効果が発揮されて、より素晴らしい芝居が展開される役目を夢は持っているわけです。
芝居が展開されている舞台に合わせて、瞬時に背景画面を変化させる必要がある。
その為には、夢を自由自在にできなければならない。
たとえば、わたしは今パリにいて、エッフェル塔が見渡せる高層マンションの35階のベッドルームでこのChapter44を書いているとしましょう。
時間は夜の10時前ですから、ライトアップされたエッフェル塔の美しい姿が見えます。
そうしますと、わたしの人生の芝居の舞台は、この部屋のベッドルームであります。
ベッドルームのある高層マンション。
高層マンションのあるパリ。
パリを首都とする国・フランス。
フランスのあるヨーロッパ。
ヨーロッパが西端に位置するユーラシア大陸。
ユーラシア大陸の東端に位置する国・日本に住んでいるみなさん。
パリにいるわたしと日本にいるみなさんを包含している地球。
地球を惑星とする太陽・・・。
確かに、実在する世界ではありますが、わたしにとって実在する世界はこのベッドルームだけであります。
ドアーを開けたらある廊下は、日本に住んでいるみなさんと同じで、わたしには見えない世界であるのです。
わたしの見える世界が、わたしの人生の今の舞台であり、その舞台の背景画面としてライトアップされたエッフェル塔が見えるわけです。
そうしますと、エッフェル塔が夢である背景画面ということになります。
ところがエッフェル塔が背景画面にならずに、日本にいるみなさんと喧嘩をしている正夢を観ていると、本来、窓から見える筈のエッフェル塔の代わりに、憎いみなさんの姿が窓に見えるわけです。
それでは、ベッドの上にいるわたしは、「夢の中の眠り」Chapter44を落ち着いて書いていられなくなります。
やはりライトアップされたエッフェル塔が窓から見えている背景が一番良いわけで、それではじめて、わたしは、今の舞台でよい芝居を演じることが出来るのです。
良い芝居を演じることが、まさに生きていることであり、使命を果たしていることであり、芝居が無事終了すること、つまり無事死ぬ為の前提条件であるのです。
良い芝居を演じていなければ、そこで芝居はカットされ、やり直しを演出者から言い渡されます。
わたしの芝居の舞台であるベッドルームの窓からエッフェル塔が見えるには、エッフェル塔が映っている映像の夢を観なければなりません。
みなさんは、今何処にいらっしゃるでしょうか。
みなさんが演じている芝居の舞台はどんな舞台でしょうか。
それにマッチした背景はどんなものでしょうか。
マッチした背景を映し出す夢を今観ておられるでしょうか。
その為には、夢を自由自在に演出できなければなりません。