Chapter 2 夢の架け橋

わたしたちは夜眠っている時、必ず夢を観ます。
夢の内容は個人差がありますが、いくつかの共通点もあります。
昼間に目が醒めている時の現実の内容と殆ど同じフィールドの夢もあれば、まったくかけ離れた、つまり現実離れした内容の夢もあります。
この違いをもう少し詳細に分析してみると、夢は、ちょうど芝居の回り舞台のようなものであることがわかってきます。
芝居の回り舞台というのは、舞台の設定を変えたい時に、ぐるっと回って、場所と時間の違う舞台が現れてきます。
場所と時間の設定が、がらっと変わるのです。
わたしたちが現実だと思っている目が醒めている状態の世界は、場所と時間の設定が連続的である、つまりアナログ的であるのに対して、夢を観ている状態の世界は非連続的、つまりデジタル的であることが、この場所と時間の設定条件の幅に大きな違いがあることがわかってきます。
アナログ的だと、場所の設定においても、こことあそことは繋がっていて且つ距離的感覚があります。
時間の設定においても、今も前と先とは時間の目盛りで繋がっていて、時間経過の感覚があります。
それをアナログ的と言うのです。
一方、わたしたちが夢だと思っている状態では、場所と時間の設定が非連続的なのは、場所の設定においても、こことあそこの間は繋がっておらず、飛んで行けるし、それは瞬時の出来事であるから時間経過の感覚がありません。
ビデオテープでは、観たい場面、即ち舞台を設定する為には、テープを早送りしたり、巻き戻ししたりしなければなりませんし、CDでは、瞬時に観たい舞台にアクセスできます。
その舞台が何万年前の地球であっても瞬時に行くことができるのです。
どうやら、わたしたちが現実だと思っている世界よりも、夢だと思っている世界の方が自在性において遥かに優っていることがわかってきました。
そして、この現実の世界が辿ってきた道を振り返ってみると、地球という世界がどんどん小さくなっている。
それは何を意味しているかと申しますと、地球自体が小さく縮んでいっているのではなく、わたしたちの行動能力が、より広く、より速くなっているだけのことだけです。
従って、わたしたちの過去の進化の過程から、将来をLP(Linear Program−線型計画という統計的予測の手法−の略語)で予測すると、その予測の未来の線上に夢の世界が登場してくることになるのです。
10年前まではビデオテープや録音テープであったのが、今ではCDやICメモリーに進化しているのと同じなのです。
わたしたちが観ている夢の世界は、目が醒めている時の現実の世界より遥かに自在性があると申しましたが、まさに、場所の広さにおいても、時間の幅においても、広大な世界であるのです。
それだけに、狭い現実の世界で不可能な事も、広大な夢の世界では可能になってしまうのです。
わたしたちは狭い世界と広大な世界とを毎日往来している。
果たして、どちらが現実か夢かを断定することができるでしょうか。
また眠りから醒めることが夢と現実の世界の架け橋なのか。
その架け橋は透明な架け橋のみならず、わたしたちの単なる錯覚が造りあげたものであるかもしれません。