Chapter 196 新しい時代を切り開く夢

科学の進歩は、21世紀の世界をどこまで変えるでしょうか?
これまでの人類の進歩を振り返ってみますと、階乗的な推移を辿ってきたのではないかと考えられます。
つまり、2400年単位の進歩が次には600年単位になり、更に200年、そして100年といった具合で進歩の速度が増すわけです。
13世紀末から15世紀末にかけてイタリアのフィレンツェで起こったルネッサンス、16世紀にドイツで起きた宗教改革、そして18世紀にイギリスで起きた産業革命が、現代まで続く近代社会の礎をつくってきたわけです。
欧米社会が近代世界を先進してきた理由はここにあるわけですが、20世紀に至って、近代社会の精神および物質文明は一気に加速しました。
ルネッサンスの時代に、地球が丸い論争がコペルニクス(16世紀)やガリレイ(17世紀)によって提唱されたのが、20世紀には月に人間が到達するまでに及んだわけで、およそ600年の間の出来事です。
人類の文明が何千年、何万年も掛かって到達してきたことが数百年ですべてひっくり返ってしまったのです。
まさに近代社会の進歩は、それ以前の古代、中世が2400年間掛かって進歩してきたことを、600年で成し遂げたわけです。
そうしますと、600年掛かった進歩が、今度は200年いや100年で成し遂げられることになる。
それを階乗的進歩と言っているわけです。
21世紀のわたしたちの世界は、2400年掛かったこと、600年掛かったことを一気に100年で成し遂げる世紀ではないかと考えられます。
そうしますと、次のルネッサンス、宗教改革、産業革命が21世紀に起こることが充分予測されるわけです。
宗教−従来の宗教−が21世紀には消滅すると主張した根拠がここにあるのですが、宗教のみならず、人類の価値観がごっそり変わるであろうことは想像に難くないでしょう。
拙著「神の自叙伝」で、21世紀には人類は月に移住するだろうと書きました。
多分それは間違いなく起こるでしょう。
現在の宇宙開発の殆どは、月で人間が住めるようにするための作業に集中されています。
世界レベルで建設されている宇宙ステーションは、月への建築資材の配送ステーションです。
月の砂を利用して水を創ることが、日本の研究で成功したことは、月へ移住する可能性を更にアップさせました。
わたしたちが非常識だと考えていることが、至極当然の常識になる時代が、もう間もなくやってくるでしょう。
常識だと思っていることが、逆に非常識になってしまっていることは充分予想されるわけです。
過去の歴史を振り返ってみても、そのような現象はいくらでもあります。
先ほどお話しました、コペルニクスの地動説などは、当時においては非常識も甚だしかった。
大きな時代の節目には、それまでの常識が非常識に、非常識が常識にどんでん返しされるのが常です。
そういう点において、わたしたちが常識だと思っている−考えていることよりも、先ず思っていることからどんでん返しが起こる−ことを、見直してみる必要があります。
夢の中では、わたしたちが常識だと思っている−考えているのではなくてーことは、非常識で、非常識だと思っていることが常識にどんでん返しされています。
従って、見直す際に大事なことは、夢の中での常識と非常識を一度確認してみることです。
そこに時代の節目のヒントが隠されているのです。
時代を切り開いた人物は、必ず夢の中でヒントを得ていたのです。