Chapter 183 真近な核戦争

この世の中から戦争がなくならないのは何故でしょうか。
戦争はよくないことだと誰もが思っています。
それでも戦争はなくならない。
原爆は人類を滅亡させることを誰もが知っています。
それでも原爆がなくならない。
多分近い将来、核戦争が起こるであろうことが想像に難くないのは、人類の愚かな歴史が物語っているからであるのです。
では何故、わたしたち人類は自滅行為を敢えてしてきたのでしょうか。
それは、わたしたちの宇宙が運動の光と音(喧騒)の世界だと思い込んできたことに深く関係があるのです。
アインシュタインは宇宙モデルを静止モデルとして捉えていました。
つまり、ビッグバンによって誕生したわたしたちの宇宙は、それ以来150億年間膨張し続けてきて今でも膨張していると考えられている、つまり運動しているわけですが、彼はそう捉えずにずっと静止したままの宇宙、果てしない無限の宇宙と同じだと捉えていたのです。
ビッグバン以来ずっと膨張し続けていることは、ハッブル望遠鏡で有名なハッブルが望遠鏡で宇宙を観察していたら、遠くにある星ほど赤くなっていくのを発見して、可視光線で一番波長が長い赤色になるということは速度が増していることに外ならないことから、膨張していると結論づけたのです。
つまり、わたしたちの宇宙は膨張という運動をし続けていることは確かなわけです。
しかし、アインシュタインはわたしたちの宇宙を静止モデルの宇宙と捉えていました。
これからは、わたしの想像ですが、運動モデルつまり膨張したり、収縮したりする運動モデルがわたしたちの宇宙とするなら、それは混沌(Chaos)の世界になってしまうことを彼は怖れたのではないでしょうか。
イギリスのホーキング博士は、「ニュートリノの質量が計られたなら、今まで膨張し続けることが常識だった宇宙が、実は収縮もすることになり、そうすると人間のこれまで構築してきた考え方、つまり哲学がすべてひっくり返り、意味を成さないことになる」とその著で言っています。
そして現実に、日本のスーパーカミオカンデでニュートリノの質量が計られることに成功した。
わたしは、このニュースをアメリカで知ったのですが、当時のクリントン大統領が、緊急大統領メッセージとしてアメリカ国民に発表したのです。
「ニュートリノの質量が計られたことは、人類の歴史の大きな反転期になるほど重要な出来事だが、それを我がアメリカで為されたのではなく、日本で為されたのは残念である・・・」といったメッセージだったと思います。
その頃日本では、政治家も役人もマスコミも、日本で起こった画期的な出来事であるにも拘らず、つまらない井戸端会議の記事ばかりにうつつを抜かしていて、肝心の重要なことについて、何のメッセージも国民に送られなかったのは、一体どういうわけでしょうか。
まさに、日本という国はいまだに情報統制国家だと言わざるを得ません。
小柴さんがノーベル賞を受賞してはじめて騒ぎ出す始末は、あまりにもお粗末に過ぎると思います。
話は逸れましたが、運動モデルの宇宙は混沌の宇宙であることを知っていた節があるアインシュタイン。
彼は、混沌の宇宙に生きている人間が織り成すであろう未来を予測していたのではないでしょうか。
原爆の基礎理論を打ちたてたアインシュタインですから、人間が混沌の世界にいる限り核戦争は避けて通れないであろうことを憂慮して、静止モデルに拘ったのでないかと思うのは考え過ぎでしょうか。
静止の暗闇と沈黙の世界であれば、運動の光と音(喧騒)の混沌(Chaos)世界で起こるようなことは無いわけです。
確かに、わたしたちの宇宙は、運動の光と音(喧騒)の世界ですが、静止の暗闇と沈黙の世界と表裏一体であることを知ったなら、混沌(Chaos)の世界から脱け出すことも可能である筈です。
わたしたち人類が核戦争を避けるには、混沌(Chaos)の世界から静寂の世界を覗き見ることができることを先ず知ることから始めるしかないと思うのです。
夢の中の眠りを自覚することで、眠りと覚醒の二元世界から三元世界に量子飛躍することが大事ではないでしょうか。