Chapter 181  『今、ここ』とは未知のゾーン

わたしたちはこれから未知の体験ゾーンに突入して行こうとしています。
固定観念、既成概念が既知の筈のものを未知の世界にしていただけで、他の生き物にとっては日常的なものなのです。
わたしたちは昼間目が醒めている時は、自分独りだけの劇場にある3階の座席に座っているのに対して、夜眠っている時は、5階の座席に座っている。
一日とは3階と5階の間を往来することであるわけです。
3階は3次元空間世界。
4階は4次元時空間世界。
つまり3階と4階が、わたしたちの150億年の拡がりを持つ宇宙(全体宇宙)であるのに対し、5階を5次元世界つまり全体宇宙の向こう側にある果てしない無限世界(絶対宇宙)であるとお話してきました。
マクロ的にみれば全体宇宙の向こう側の果てしない無限世界ですが、ミクロ的にみれば、わたしたちの全体宇宙が150億年前にビッグバンによって誕生した前の「無」の世界と言えるでしょう。
それはまさに、無限世界と有限世界との間を円回帰運動しているかの如き様相だと捉えることができます。
あと50億年ほど全体宇宙は膨張し続けたあと反転し、膨張過程と同じ200億年かけて収縮することによって再び絶対宇宙に戻る(円回帰する)壮大なドラマが繰り広げられていくのです。
わたしたち人間は小宇宙と称せられているように、わたしたち小宇宙も同じドラマを日々繰り広げているのです。
3階、4階の全体宇宙と5階の絶対宇宙との往来はまさにこの壮大なドラマの小宇宙版であるのです。
わたしたちは今まで果てしない無限世界を未知のゾーンだと思ってきました。
しかし、宇宙生成の過程とは無限世界からはじまり無限世界に円回帰するものであり、その間に、わたしたちの全体宇宙がある。
結局の処、わたしたちの宇宙というのは決して150億年の拡がりを持つ全体宇宙ではなく、その向こう側にあり且つわたしたちのルーツでもある無限の絶対宇宙そのものであるのです。
既知のものである筈なのに、未知の世界と思い込んでいると申しました所以であります。
運動の光と音(喧騒)の世界が、わたしたちの世界だと思い込んできましたが、実はその世界は、静止の暗闇と沈黙の世界への円回帰運動の一過程に過ぎないわけであります。
それが3階、4階、5階の自分独りだけの劇場で象徴されているのです。
5階建ての建物は5階の拡がりを持ちます。
4階建ての建物には5階の拡がりは在りません。
3階建ての建物には、4階、5階の拡がりは在りません。
つまり、自分独りだけの劇場は絶対宇宙の世界を現しているのです。
絶対宇宙は、静止の暗闇と沈黙の世界であります。
わたしたちは日々、運動の光と音(喧騒)の世界と静止の暗闇と沈黙の世界を往来しているのです。
しかし、わたしたちはそのことにまったく気づかないで生きている。
夜眠っている時、わたしたちは静止の暗闇と沈黙の世界を体験しているのです。
ただ往来しているから、その体験が一瞥になり、未体験になっていると錯覚しているだけです。
死ぬということは、絶対宇宙への円回帰を意味していると言っていいでしょう。
死ぬことを怖れるのは、未体験だと思っている故であって、実は日々この未体験ゾーンをわたしたちは経験しているのです。
運動の光と音(喧騒)の世界が一時の仮の宿であり、静止の暗闇と沈黙の世界が、わたしたちが生まれた本当の故郷であるのです。
夜眠っている時、わたしたちは故郷に一時帰郷しているのであり、死ぬことによって帰郷するのです。
輪廻転生は生きている間に起こるべきものであって、死んでから起こるものではないのに、人間だけの都合で輪廻転生を死後の世界の話として捏造した為に、既知のものを未知のものと勘違いして来たのです。