Chapter 169 病気と睡眠

Chapter139「人生は夜つくられる」でお話しましたが、非活動状態である夜、特に眠っている時、エネルギー活動が最低状態にある時で、その時に肉体を構成している細胞−厳密に言えば細胞を構成している有機化合物つまり分子そして原子に至る−が量子飛躍によって大変化が起こる。
病気になるのは、この時です。
悪いことばかりが起こるのではなく、大きな変化が起こるだけで、要するに眠る前の状態が変わってしまうわけです。
活動状態である昼間に、肉体が大きな変化をすることは殆ど無いと言っていいでしょう。
つまり昼間は他の活動にエネルギーを割いているために、自身の肉体を変化させる程エネルギーに余裕が無いと考えればよいわけです。
量子飛躍と言うと理解し難いでしょうが、わたしたち人間も含めてすべてのものは、自然の法則つまり宇宙の法則に則して生かされているのですから、原子を構成する量子が変化するとわたしたち人間の肉体も変化するのは至極当然で、敢えて量子飛躍という馴染みの無い言葉を使ったのです。
肉体の活動が最低状態の眠っている間に、蓄積されたエネルギーが身体を変化させるのが発病です。
従って、発病させたくないのなら、眠らなければいいわけです。
ずっと醒めていれば病気にならない。
これが立証されれば、医学界に大衝撃が走るのではないでしょうか。
わたしたちは飲食することによって生命を維持している一方、断食することによって健康を図り、病気を治す知恵も持っています。
わたしたちの肉体は、食事を3ヶ月摂らなくても大丈夫なようにできています。
水を10日間飲まなくても大丈夫。
それでは、わたしたちの肉体は、睡眠をどれぐらい採らなくても大丈夫なようにできているのでしょうか。
千日回峰行という修行があります。
この行の最終段階で、「堂入り」という最も厳しい行があり、9日間飲まず食わず眠らず、お堂の中で過ごすのです。
9日間飲まず食わずは我慢できても、眠らずが最も厳しい行です。
なぜ、眠らずの行をするのでしょうか。
わたしの想像ですが、人間が生きて行く上での基本作業である、食べること、眠ることを絶つことで、普段は鈍感になっている意識を限界まで鋭敏にすると、小宇宙と言われている身体のうごめきが透明なほど見えてくるのではないのでしょうか。
そしてそこから大宇宙のメカニズムが見えてくるのです。
いろいろな病気が発生するメカニズムを発見するには、眠っている時の身体のうごめきを知ることです。
健康とは病気の無い状態であるわけですから、病気のメカニズムを知れば健康を維持できる筈で、その最大の要件は睡眠の中にある。
病気と睡眠は、切り離せない関係にあるように思えてなりません。
眠っている間に病気はつくられる。
眠っている間に不幸はつくられる。
それなら眠っている間に健康や幸福もつくられるかもしれない。
それとも眠らないことで病気や不幸を避けることができるかもしれない。