Chapter 162 Reality within Reality

葛藤することによって心の結晶化をし、バラバラな想いを整然とすることで、その実体を知るに至ることを理解すると言います。
わたしたちが一般に言う理解という意味は、知ると言うことで、本当の理解とは、知るに至るということであります。
知るとは、ある一つの対象ですが、知るに至るとは、複数の対象を次から次へと知ることを言うのであって、次から次へと知ることを知るに至ると言うのです。
一つの対象を知るということは、一つの想いの実体を知るということですから、次に移る想いはその対象にならないわけです。
結局の処、一つ知っても次の対象で頓挫してしまうのですから、知ったことにはならないのです。
知るに至るとは、次の想いに対してもその実体を知ることであって、次から次へとチェーンのように繋がっておるのですが、実はチェーンのようには繋がっていないことを知るということになるのです。
知るに至るとは、知らなかったことを知るということになる、ちょっと複雑な話になりますが、この世のことは殆ど、このような単純且つ複雑な話になるのです。
わたしたちが、眠っている時に夢を観て、目が醒めると夢からも醒めると思って来たのですが、実は四六時中夢を観ていて、目が醒めているというのは単に肉体的に目が醒めているだけのことで、精神はずっと夢を観て生きておるのです。
夢が中心で、時折目が醒めているのが、わたしたちの一生であるのです。
目が醒めているのが中心で、時折夢を観るのがわたしたちの本来の一生であるのです。
しかし、普段のわたしたちは、この二重の一生を生きているから分裂気味になるのも当然です。
第一象限:肉体も精神も醒めている状態。
第二象限:肉体は醒めているが精神は夢を観ている状態。
第三象限:肉体は夢を観ているが精神は醒めている状態。
第四象限:肉体も精神も夢を観ている状態。
この四象限の中で、第二象限と第四象限が、わたしたち分裂気味になっている状態であるのです。
心の結晶化によって想いを整然とするということは、わたしたちの精神状態を第一象限に収斂させることに外なりません。
第四象限から第一象限への道は二つあって第二象限を通って行くか、第三象限を通って行くしかないのですが、わたしたちは第三象限の道を歩むことは出来ません。
従って、第二象限を通って行くしかないのです。
つまり、第四象限である、肉体も精神も夢を観ている状態が、眠りの中で現実と思っていることであり、即ち、Reality within Sleepで、第二象限である、肉体は醒めているが精神は夢を観ている状態が、現実の中で夢を観ていることであり、即ち、Dream within Realityであるのです。
Reality within Sleepを通過してDream within Realityに至り、そして第一象限である肉体も精神も醒めている状態、現実の中での現実の世界、即ち、Reality within Realityに至るのが、この「夢の中の眠り」の主題であるのです。