Chapter 159 神でも悪魔でもある時間

夢の中では時間の観念がありません。
つまり過去、現在、未来の区分けがなくて、すべてが現在であるのです。
従って、時刻の観念も当然ないわけで、夢の中で時計を見たことなどないはずであります。
しかし、目が醒めている時、わたしたちは時間(Hour)、時刻(Timing)、時(Time)のことをしょっちゅう気にしています。
結局の処、眠っている状態と目が醒めている状態の決定的違いは何処にあるかと言うと、時間の観念の有無であることなのです。
夢の中では時間の観念が無いために、夢の中で展開される現象に時制の区別がなく、すべてが、『今、ここ』で起きているように思うのです。
いや、すべてが、『今、ここ』で起きているのです。
ところが、目が醒めている時には、逆にすべてが過去や未来になってしまって、『今、ここ』が無いのです。
顕在意識にその原因があります。
地球や宇宙の意識と繋がっている無意識状態にある熟睡(Non-Rem睡眠)下では、自己同化(Self-Identify)がまったく無いので、時間の要素が入り込む余地がないのです。
新幹線に乗っている時は、スピード感がないのは新幹線と一体になっているからで、新幹線から飛び下りようとしたら、時速300kmのスピード感が襲ってくる。
秒速30kmで太陽のまわりを飛んでいる地球と一体になっているから、わたしたちは地球上で静止しているように思っているが、地球から飛び出ようとすると猛烈なスピード感に襲われる。
時間の要素が入り込むのは運動しているからであって、静止の状態では時間の要素が入り込む余地はないのです。
無意識下では集合意識という乗り物に乗っているために、静止した感覚でいる結果、時間の要素が入らないのです。
一方、顕在意識下では、集合意識と分離され−実際には繋がっているが、自己同化(Self-Identify)が強いので分離されているように勘違いしている−乗り物から飛び出ようとしているのですから、スピード感つまり時間の要素が入り込むのです。
Rem睡眠状態は潜在意識が表面に出てきているのですが、ちょうど無意識と意識(顕在意識)との中間にあって自己同化(Self-Identify)も有るので、乗り物から飛び出る状態までは行かないが、その狭間にいるわけですからスピード感はあるのです。
無意識状態の中で観る夢が負夢で記憶に残らないのに対して、潜在意識状態の中で観る正夢は記憶に残り、所謂現実の世界との狭間でスピード感、つまり時間の観念も有るのですから恐怖感のある内容になるのです。
結局の処、わたしたちが四苦八苦しておるのは、時間の観念が入り込んでいることに帰結するのです。
寝ても醒めても夢を観ているわたしたちですが、その夢は潜在意識状態の正夢なので、まだ自己同化(Self-Identify)があり、時間の観念が残っているのです。
無意識つまり集合意識との一体を感じる状態で観る負夢では、自己同化(Self-Identify)はなく、時間の観念がまるで無いのです。
つまり、わたしたちが目を醒ましている所謂現実の世界は正夢の世界に外ならないのです。
Rem睡眠状態で観る正夢よりも顕在意識によって希薄になっているだけで、夢を観ていることに変わりはないのです。
時間の観念が入り込むと、わたしたちは過去や未来に想いを馳せてしまいます。
時間の観念が入り込まないと、わたしたちは、『今、ここ』にいることができるのです。