Chapter 147 Hallucination(幻覚)の世界

夢の世界と現実の世界を反転するということは、映像フィルムのネガとポジを反対方向から見るのと同じことです。
夢の世界がポジになる。即ち、見たままのもの。
現実の世界がネガになる。即ち、ひっくり返ったものを観る。
従って、夢が現実になり、現実が夢になるのです。
わたしたちが現実だと思って生きている、所謂現実の世界はポジとネガが二重になったフィルムが映写された世界だと言えるでしょう。
テレビの画面も、二重の映写がされていることを発見された経験をお持ちの方がいらっしゃるでしょう。
実際のチャンネルの画面と、裏チャンネルの画面とがラップしている現象で、各チャンネルはそれぞれ固有の周波数を持った電波で送信されているのですが、受信するアンテナの具合で複数の周波数の電波を同時に受信してしまうことから起こるわけで、Hallucination(幻覚、幻影、妄想状態)現象と言います。
わたしたちが生きている、所謂現実の世界も同じように複数の電波を受信した結果の映像であり、それが夢の世界と所謂現実の世界がラップしているHallucination現象であるのです。
わたしたちはチャンネルを合わせた所謂現実の世界を映像として観ているわけですが、それと同時に受信した夢の世界の映像も観ているのです。
わたしたちは、眠りに就いている時と目が醒めた時に、いちいちチャンネルを変えているわけですが、メインの画面とサブ画面がひっくり返っただけのことであり、常に両方のチャンネルの画面を観ているのです。
チャンネルを変えることは、ギアーシフトするのと同じわけで、3階と5階を往復していることに外なりません。
わたしたちは、日々3階と5階を往復して背景画面を観ているのだとお話した所以です。
そうしますと、わたしたちが現実だと勘違いしている所謂現実の世界の実態が見えてくる。
わたしたちが、生きることを四苦八苦だと思う原因が、所謂現実の世界である二重の画面に惑わされている点にあることがわかってくる筈です。
3階から見る所謂現実の世界の画面。これが表のチャンネル。
5階から観る所謂夢の世界の画面。これが裏のチャンネル。
結局は3階も5階も観ているのであって、見ているわけではないことがわかってくるのです。
見ることができるのは、4階の座席からしかないことがわかってくるのです。
見ると観る。
これも重要なキーワードです。
わたしたちは、寝ても醒めても夢を観ておるのです。
実在するリアルな世界は見える世界即ち存在する世界であって、鑑賞する世界ではないのです。
『今、ここ』が唯一存在するリアルな世界であって、見えるのは、『今、ここ』だけです。
わたしたちが生きている所謂現実の世界は、『次、あそこ』の観る世界で、存在する世界ではないのです。
存在しない幻想の世界を、現実の世界と思って生きているわたしたちは、四苦八苦から逃れられないのは当然のことではないでしょうか。
その原因は、まわりの世界にあるのではなく、Hallucinate(勘違い、幻覚)していること自体にあることを理解しなければなりません。