Chapter 11 バトンタッチの場所

夢を観ている眠りから目が醒めることによって、所謂現実の世界に戻る瞬間の時空間について考えてみましょう。
先ず、わたしたちが眠りの中で観ている夢の世界は何次元世界であるでしょうか。
夢の映像を思い出してみますと、間違いなく現実の世界と同じ映像が見えていますから、三次元空間であります。
更に四次元要因である時間の流れの有無になると、所謂現実の世界のようにはっきりとした時間の流れが有ると確信出来ないのではないでしょうか。
そうかと言って、まったく時間の流れを感じないわけでもなさそうです。
実は、ここが最大のポイントであるのです。
夢を観ている時に注意深く観て頂きたいのですが、みなさんなかなかいざ夢を観ると、注意深く観なければならないことを忘れてしまうのです。
それならば、夢から醒めた直後に少し思い出してみるという習慣をつけてみることです。
正夢を観た後は、あなたは余韻に耽っているではないですか。
耽っているのではなく、注意深く検証してみることです−本来は夢の中で注意深く観察できるようになったら一番いいことは言うまでもありません−。
夢から醒めた直後に、夢を思い出して検証することが出来たなら、あなたは意識的になっているという証明です。
もっと意識的になると、夢の中で検証することができます。
意識的であることがキーワードです。
そこで夢の直後に検証してみると、時間と空間が、現実の世界のものと違うことがわかります。
空間はたしかに三次元なのですが、光の速度で飛べる鳥になったように自由自在に自分の置かれた場所を移動することが可能になっていることに気づく筈です。
所謂現実の世界では、自分のいる場所は三次元空間でありますが、運動は二次元平面運動をしているのに対し、夢の中では三次元立体運動をしているのです。
従って、時間の感覚も、現実の世界とは違ってくるのです。
現実の世界での時間の流れは、過去から未来への一方通行です。
ところが夢の中では未来から過去への時間の流れもある両方通行が可能になっています。
だから、現実の世界では有り得ない、過去に存在した既知の人物や光景と、未来に出会うであろう未知の人物や光景とが混在した世界になっているのが夢の世界であるのです。
この違いの原因を究明することが出来たなら、夢と現実との間に橋を架けることができると考えられます。
それを可能にするためには、二つのことを理解しておく必要があります。
一つは、夢の中では四次元運動をしているということ。
もう一つは、現実の中では二次元運動をしているということ。
そこで物理学的に考えますと、四次元運動をする世界は四次元プラス一次元すなわち五次元であり、二次元運動をする世界は二次元プラス一次元すなわち三次元世界であります。
そうすると、わたしたちが存在する世界は、現実の世界は三次元世界であるのに、夢の中では五次元世界にいるということになります。
これは一体何を意味しているでしょうか。
わかり易い比喩で説明してみましょう。
一次元から二次元、三次元、四次元、五次元世界を鳥瞰する方法として、五階まである劇場をイメージしてください。
一階の観客席が一次元世界です。
一階の観客席からは一階の観客席は見えるが、二階以上の観客席は見えません。
二階からは一階と二階は見えるが、三階以上の観客席は見えません。
三階からは三階と二階、一階は見えるが四階以上は見えません。
四階からは四階と、三階、二階、一階は見えるが五階は見えません。
五階からはすべての階が見えます。
そうしますと、わたしたちが存在する所は、現実の世界は三階であって、夢の世界は五階であるイメージなのです。
従って、夢の世界の方が遥かに広大な世界であることに気づいて頂きたいのです。
夢の世界からは、わたしたちが所謂現実と思っている世界を眺望することができるのに、所謂現実の世界からは夢の世界はまったく見えないのです。
そこで、賢明なみなさんなら気づいておられると思いますが、四次元世界が所謂現実の世界と夢の世界との間に横たわっているのは何故でしょうか。
ここに現実の世界と夢の世界を繋げる鍵があるのです。
四次元世界が夢の世界から所謂現実の世界へ、毎朝バトンタッチする際に通過する世界であるようです。
リレー競争の際、次の走者にバトンタッチするのは、スタート地点であり、ゴールの地点でもある処です。
そこが四次元世界であることを深く洞察することです。