第八章  武蔵・白隠に弟子入り

武蔵が 三島にさしかかったとき ある寺からすごい気が発していることに気づいた

その気にひかれるままに 行ってみると 白隠和尚が縁側で座っていた

お侍さん お前さんは すごい殺気を発しておられるのう 今まで多勢の人間を殺してきたのじゃろ かわいそうに

坊主 お前こそ ものすごい殺気を発しておるではないか わしは侍だから人を斬ることもある

お前は坊主の分際で 何故それだけの殺気を発するのか

わしは お前さんの殺気を わしの鏡で映しているだけじゃ

嘘を申せ そんな馬鹿なことが出来るはずがない

それじゃ ここに一匹の猫がおる この猫を斬ってみよ

理由もなく 猫といえども斬るわけにはいかぬ

それじゃ わしがこの猫を斬ってみよう そなたの刀を貸せ

そして 猫の背中を 和尚は斬ってみせた

その瞬間 武蔵から殺気が消えた

そして和尚からも 殺気が消えた

どうじゃ 分かったであろう

武蔵は 参りましたと言って 和尚の寺で修行をすることになった